ロシア人はなぜオオバコがあらゆる病に効くと思うのか?

 ロシア人なら大人も子どもも、切り傷やすり傷を負ったとき、オオバコを押し当てればいいことを知っている。今、これはすでにミームのようなものである。このオオバコの秘密を紐解こう。

 ソ連で子供時代を過ごした人なら、一度はこんな光景を目にしたことがあるだろう。勢いよく外で走っていたら転んで膝を擦りむき、膝からは血が、目からは涙が出る。そんなとき、いつだったか祖母が言っていた言葉を思い出す。「傷口にオオバコを押し当てるといい」。そこで埃のついたオオバコの葉をちぎり、傷口に押し当てる。オオバコを押し当てる前には、必ずつばをかけなければならない。これは、オオバコの葉を引っ付きやすくするためか、汚れを落とすためなのかは定かではないのだが。しかし、そうしてから10分もすると、まるで魔法の杖を振ったように、傷口の血は止まり、痛みも和らいでくるのである。

 ちなみに、オオバコのロシア語には「道」という語根があるくらいで、道端で簡単に見つけることができるものである。

オオバコってどんな植物?

 オオバコは広く大きな葉を持つ多年草で、240以上の種類がある(ロシアおよび旧ソ連圏では40種類ほどが生育している)。大辞典によれば、オオバコは道端の雑草の生える場所、砂漠、ステップ地帯、草原、砂地に生育するとある。オオバコの種は、ヒトの靴の裏に付着し、運ばれていると仮定されている(たとえばアメリカにも、この方法でもたらされたと言われる)。

なぜ傷口に当てるのか? 

 大ソヴィエト辞典にはオオバコの中には効能があり、カロチン、ビタミンC、そしてフィトンチッドを含んでいると記されている。「オオバコの葉を煎じたものは鎮咳去痰薬として使うことができ、葉の汁は胃炎や腸炎の治療で、消化を促す薬として用いられる」。

 いくつかの種類のオオバコの若い葉は、サラダやスープに入れて食べることができる(しかし、イラクサを使った料理でさえ、なかなか試せないものではあるのだが)。

今も使われているのか?

 現代ロシアにおいては、オオバコの茶が売られているのを目にすることができる。このお茶は胃腸の不調はもちろん、その他、非常に多くの病気に効くとされている。というのも、オオバコは炎症を抑える効能があるからだ。葉を煮出したときには、飲むだけでなく、外用薬としても用いられた。オオバコは消毒液として、また止血剤としても使えるのである。

 ちなみに、人気のサイトでは、サプリメントと並んで、オオバコの種子の殻が売られている。水に溶かして飲むのだが、メーカーは、これは食物繊維であり、これを飲めば、消化がよくなり、脂肪やコレステロールを多く含む食品を抑える食事をしている場合に効果的だとしている。

 一方、転義で「オオバコ」は、旅行などに持っていくケーキやその他の焼き菓子を意味する。そう、オオバコも食べることができるのである(またこのオオバコという言葉は、特定の社会的・文化的グループの俗語では、道端で物乞いをする貧しい人のことを指す言葉でもある)。 

なぜロシア人はオオバコを笑うのか?

 ソ連には医薬品が溢れていたわけではなかった。今、当時のソ連に育った多くの人々は、先述のおばあさんたちの助言を笑い飛ばす。

 1990年代にも「オオバコ」という歌が流行ったが、この中でオオバコは、“わたしを悲しみから守ってくれる草”であり、“オオバコが不安を消し去ってくれる”と歌われている。

 現在、オオバコはミームや民族的作品作りにおいて愛されるテーマである。ブラウザーのエラーに押し当てる人も。

 あるいは道で倒れた人に救急処置をするには、葉で体全体を覆うのはどうだろう。

 ちなみにペテルブルクでは、地下鉄のICカードも「オオバコ」と呼ばれている。そこで、このような図も「オオバコを押し当てる」となるのである。

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