なぜロシア人の中にコロナウイルスを信じない者がいるのか

Anton Podgaiko/Sputnik
 感染者の数が比較的に少ないことから、ロシア人の一部にはこのパンデミックに懐疑的な意見を持つ者がいる。彼らはそれが影響を与えないと信じている…もしくは気にしないし、絶対パニックになりたくないと考えている。感染しないように自己隔離をしているロシア・ビヨンドのライターが自身の見聞きしたことを共有する。

 ロシアでは最近、他の多くの国と同様に施設が閉鎖されている。

3月17日から、全ての学校と大学が閉鎖された。公的イベント全てがキャンセルされ、多くの従業員は自宅で仕事をするよう指示されている。 

 隔離されたモスクワの自宅オフィスの外を垣間見ると、春の訪れを感じられる。大勢の人が歩いていて、子供たちは公園で遊んでいる。大きな袋を持った人が食料品店から歩いてきた。そして、私はこのように自分に問いかけるのだ。これが自己隔離なのか?

バイオハザードとの共通点はない 

 自宅で仕事を始めた最初の日が終わると、私はスパイ映画のようにとても慎重にアパートを出た。近所の人に会わないようにし、何も触れないようにし、エレベーターに乗る前にエレベーターが空かどうかを確認した。

 外にあるのは、バイオハザードの世界のような風景、つまり防毒マスクを着た人々が数人、そしてわからないけれども多分誰かが走って叫んでいるようなことを予期している。しかし、そのようなものは見当たらない。今日もいつもと変わらない夜だ。

 私が恐怖と危険を克服して食料品店入ると、中には多くの人がいて、誰もマスクを着用していない。私は自己隔離の準備で忘れてしまったものだけを購入した(蕎麦の実ではなく、豆や魚の入った缶詰だけ)。 

「これは普通のインフルエンザだ」

 その後私はマニキュアを取りに行くべきだと考えた。先週から予約をして、長いジェルネイルを取り除く必要がある(この画像が示すように、爪が長いと手を洗うのが難しく良くないと思ったので)。再び恐怖を克服して、私は近所のネイルサロンに入る。何人かの女性が適切な間隔を空けて座っており、スタッフ全員がマスクを着用している。私は最も遠い場所に座ることになったので、少しリラックスした気分になった。

 「爪を切ってください」とお願いした。

 「いや、なんで?」女性は悲壮感を漂わせつつ叫ぶ。

 「コロナウイルスのせいで」と私は冗談を言った。

 「ああ、それはばかげている。みんな学校で勉強してこなかったようです。コロナウイルスは存在しません。この愚かなパニックに追い込まれているだけなのです」と彼女は話す。

 「まあ、肺の換気のための特別な機械がありますが、ほんの数台しかありません…。」私は口を開いて少し議論を始めた。ロシアでCOVID-19が広がりつつある間、最近の数週間に私はこのウイルスについて多くのことを知り、世界中のジャーナリストと広範囲に議論したのだ。

 「ああ、それはナンセンスだ。このウイルスは普通のインフルエンザとまったく同じだ!」マニキュアをする女性店員は動揺しないようなので、私は口を閉じて、説得をあきらめた。 

「これはまさにSARSです」

 私は友人に、このマニキュアの女性店員との会話について、笑いとためらいの気持ちが入り混じったテキストメッセージを送った。そして、彼女が自宅で働いているかどうか尋ねた。 「私は家にいるけど、それは私が本当に病気だから」と彼女は答えた。

 彼女は風邪をひいただけなので、医者には電話しなかったと話す。 「鼻水が出ているけど、発熱はしていない。コロナウイルスの兆候ではないこととわかった。これはまさにSARSだ!」そして彼女は明日、再び仕事に行くと教えてくれた。

医者に行かず家で治療を受けているロシア人が多い

 私は彼女に自己隔離の重要性と、自身がコロナウイルスの軽度の症状であっても、祖父母や同僚の祖父母を含む他の人に感染させる可能性があることをレクチャーしようと考えた。

  彼女はしばらくの間祖父母に会わないので大丈夫だと言った…しかし、彼女の上司はコロナウイルスの予防策を取っている人はみんな愚かな馬鹿だと考えているので、彼女は仕事に行くのだ。

「他のみんなのパニックに加わりたくない」

 「ええ、ロシアで感染しているのは114人(3月17日)だけです。イタリアで起こっていることとはほど遠い。人口がどれほど多いか覚えていますか?」私のもう一人の友人は、私が上記の友人のことについて、文句を言ったときこのようなテキストを送ってきた。

 「はい。しかし、彼女のように記録せず、検査を受けない人がたくさんいると確信しています」と私はあきらめていない。

 しかし、この友人も私の議論を聞いていない。彼女は私に、余分なトイレットペーパーを買っている人々についてのふざけたミームと写真を送って、彼らが馬鹿だと話す。 「なぜ彼らはこれを買うの?いつでもオンラインで注文したり、自分で洗うことだってできるというのに!」

ロシアの飲食店が未だにオープンしている

 彼女が自宅で働いているかどうか尋ねた。彼女はノーと言った。彼女は家にいることができたかもしれないが、付近は静かで落ち着いていて完璧な雰囲気なので、仕事に行くという。 「さて、私は両親に外に出ないように言ったけれど、外出しているみたい。でも彼らは今のところ大丈夫のようだ。いいえ、本当に、他のみんなのようにパニックに加わりたくありません。全世界が狂ったようだ!」彼女は嘆きます。

 私はただ言葉を失ってしまった。

「妄想のようだ」

 私は親戚に電話して、自己隔離をしているか、少なくとも公共の場所を訪れるのを止めているかどうかを確認した。叔母は、私が自宅で働いていると聞いて驚いた。 「え、あなたは皮膚の下にマイクロチップを入れられて、監視されているの?」 「いや、おばさん!ウイルスを広めないようにするのは私自身の責任です!」文字通り悲鳴を上げる。 「ああ、わかった。でも、本当にそれは妄想のようだ。本当に深刻だと思っているの?」

旅行先から帰国できないロシア人旅行者が少なくない

 ヨーロッパへの春休み旅行を計画した友人はみな、面倒くさいフライトのキャンセルに直面した。また、ロシアは外国からの訪問者に国境を閉ざしている。しかし、その後、親戚の同僚の何人かがスペインから帰ってきたばかりで家にいたくないと聞いた。彼女にはやるべきことがたくさんあるはずだ!それでも、彼女は隔離を余儀なくされた。それから、様々な警告にもかかわらず、閉鎖されていないポルトガルへ行ってしまった別の知り合いから連絡がきた。「こっちに来て、休暇は大事!」

 Facebookのあちこちで、私はいわゆるスマータス(知ったかぶり)に出くわす。彼らの多くは、誰もが愚かにもパニックに陥っている間、彼らは落ち着いていて、彼らには何も起こらないだろうと投稿している。同時に、嬉しいことに、何人かは手を洗って消毒剤を使い、祖父母の世話をするよう求める文章を投稿してくれる。

 まあ、コロナウイルスを信じない人もいるかもしれないが、自己隔離の重要性は信じるべきだ。それが最近はどこでもトイレットペーパーや他の品物が購入されている理由だ。

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