何が起こったのか
コロナウイルスの流行を受け、ロシア政府は外国人や無国籍者を対象に入国制限を課すことを決めた。制限は3月18日に発効し、5月1日まで続く。関連情報がロシア政府のウェブサイトに掲示されている。
入国制限が課されるのはどの国の国民か
制限はEU(ヨーロッパ連合)とCIS(独立国家共同体)の全加盟国に適用される。
私は外交官だが、私も今ロシアに行けないのか
政府は一部の人を例外としている。その該当者は以下の通り。
- 外交官
- 在ロシア大使館・領事館職員
- 公式代表団のメンバーおよび外交・公用ビザを持つ者
- ロシアに商品を運び込むトラックの運転手
- 航空機、海上・河川船舶の乗組員、国際鉄道路線を走る列車や機関車の乗務員
では私人はどうなのか
私人は、ロシアでの居住許可証をすでに有している場合に限り入国できる。ロシアで飛行機を乗り継いで帰国する乗客も入国禁止の対象とならない。 ロシア政府はその他、近親者の葬式に参加するためにロシアを訪れる人の入国も許可している。 それ以外の場合はいかなる事情であっても入国は違法と見なされる。違反者は20万ルーブル(27万円)の罰金が科されるか、2年以下の懲役ないし拘束の処分を受ける。
私は居住許可証を持っていて、何とかロシアに到着したとする。私はこれでもう自由か
残念ながら違う。所定の国々からモスクワを訪れた場合、あなたと同居者は14日間自宅待機せねばならない。つまり職場や学校、公共の場に出てはならないということだ。該当する国々は以下の通り。
- アルバニア共和国
- アンドラ公国
- ベラルーシ共和国
- ボスニア・ヘルツェゴビナ
- バチカン市国
- グレートブリテン及び北アイルランド連合王国
- ドイツ連邦共和国
- イラン
- イスラム共和国
- アイスランド共和国
- スペイン王国
- イタリア共和国
- 中華人民共和国
- 大韓民国
- リヒテンシュタイン公国
- 北マケドニア共和国
- モルドバ共和国
- モナコ公国
- ノルウェー王国
- アメリカ合衆国
- サンマリノ共和国
- セルビア共和国
- ウクライナ
- フランス共和国
- クロアチア共和国
- モンテネグロ
- スイス連邦
その他、ロシア消費者権利保護・福祉分野監督庁は3月16日以降モスクワを除くロシアのすべての州で2週間前にEU加盟国から入国した国民を対象にコロナウイルスの感染の有無を検査することを定めた政令を発布している。
また、最近一ヶ月以内に外国から戻った人のうち、急性呼吸器感染症の症状が見られる人全員を対象に、コロナウイルスの検査を行うことにしている。