毛皮農場から救われたロシアのクロテンがネットの人気者に(写真特集)

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 誰かのコートになるはずだったメスのクロテンのウモラの運命を一人の若い女性が変えた。そして今やウモラはスーパースターとなった。

 クロテンのウモラ(愛称ウーマ)は2匹の姉妹とともに毛皮農場で生まれた。2018年の末、モスクワ生まれのエヴゲニヤ・フェドルチェンコさん(25)がこのクロテンを見つけ、ウモラは幸運にも彼女のペットとして、家に引き取られた。そしてエヴゲニヤさんがこの小動物の生活を綴ったブログをスタートさせると、ウーマはたちまちインスタグラムのスターとなった。現在、ウモラのブログには15万以上のフォロワーがいる。

 「わたしが毛皮農場からクロテンを引き取ろうと思ったのは、毛皮を作るために殺されてしまうクロテンをせめて1匹でも救えると思ったからです」とエヴゲニヤはロシアのメディアに語っている。「健康状態は最悪でした。クロテンは8ヶ月もの間、狭くて汚い檻の中で過ごします。ウモラはものすごい悪臭がして、ビクビクしていて、鼻も裂けていました」。 

 「もしわたしがウモラを連れ帰らなければ、彼女はここで殺されてしまい、生きるチャンスを奪われてしまうのだと思いました。それで15,000ルーブル(およそ26,000円)で買い取ることにしました」。

 

 エヴゲニヤはウモラの画像や動画を定期的に投稿している。彼女は、最初はクロテンとコンタクトを取るのは難しかったが、1年後にはウーマをなんとか躾けることができたと話している。

 

 野生のクロテンは自由奔放な振る舞いをするが、賢い動物である。ウーマはすぐにトイレに慣れ、いくつかのコマンドを身につけた。 

 ある時、エヴゲニヤはウーマに冬の雪を見せようとしたが、うまくいかなかった。クロテンはどうにかハーネスを外し、雪の中に埋まり、隠れた。エヴゲニヤはウーマを見つけられなくなってしまうのではと心配し、幸いウーマを見つけてからは、もう外に出さない方がよいと判断したのだそうだ。 

 ウーマの「趣味」の一つが“盗み”である。「ウーマは気に入ったものはなんでも取ってしまうんです。ほとんどの場合、彼女はそれを秘密の場所に隠すだけなので、取られたものが壊れたりすることはありません」。エヴゲニヤはそう綴り、「ウーマは自分の宝物の近くを通り過ぎる人を見たら、噛み付くこともあるんです」と付け加えている。

 

 エヴゲニヤによれば、フォロワーの多くがウーマはネコくらいの大きさだと思っているが、実際には頭が手のひらに十分おさまるくらい小さい。

 ウーマはとっても可愛いが、噛み付きもすれば、引っ掻きもする。鋭い爪が見えるだろうか? 

 しかしながら、エヴゲニヤはこのような野生の動物をペットにしようと思う人々に、決心する前に2度考えてほしいと警告する。本来、彼らは野生で暮らすべき生き物なのだからと。

 「わたしのブログを読んで、100人のうちのせめて1人でも、毛皮のコートを作るのに50匹、60匹の動物が必要なのだということを考えてくれたら嬉しいと思っています。毛皮好きな人の多くは、クロテンがどんな動物かも知らないのです。このブログを見て、ウモラを知ることで、毛皮はもう身につけないと言ってくれる人がいます。そのことはわたしにとって新たなモチベーションとなり、これまでわたしのやってきたすべてに意味があったのだと感じています」。

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