上質のボンバージャケット、ブーツ、ミリタリーベスト、コートに特化しているOutlawはスキーウェアをテーマにしたアパレルで、デザイナーファッションといえばすぐ連想される派手さを排除した、洗練された冬のミニマリズムで勝負している。しかしロシアの同様のブランドと異なり、色鮮やかな色合いの商品も作ることにより、活気のある多文化的なものを取り入れても、ストリートウェアの持つナチュラルなザラザラ感をトーンダウンさせないというポリシーを実現している。
Outlawのツヤ感のあるスポーティさはプーマとのコラボレーションでも目立っている。商品にはこの両方のブランド名がキリル文字で入れられている。グライムMCのスケプタもファンだというので、きっとあなたも好きになるだろう。
サンクトペテルブルクのブランドで、洗練されたシックなテックウェアコートはプラクティカルな人にとって夢のストリートウェアであり、パタゴニアやザ・ノースフェイスと十分張り合うことができるものだ。「アンタゴニスト・サヴァイヴァル・キット」の異名をもつ老舗レーベルは、取り外し可能なフード、隠しポケット、防水加工の素材など機能的かつ多目的なメリットを備えている。
モスクワとサンクトペテルブルクの未来派的環境にインスパイアされたKrakatauのクラッシーで落ち着いたデザインは都会的なロシアの冬にこれ以上ないほどフィットする。ザハ・ハディド・アーキテクツとの写真コラボシリーズは結局、正当な理由なく実現されなかった。
シルクスクリーンの絵をTシャツにプリントしてオンラインで売るという地味なビジネスからスタートしたモスクワを拠点とするSputnik 1985はスタイリッシュなデザインとDIY風のロゴを組み合わせたファッションを売りにしている。人気が急騰したあと、さまざまなTシャツ、セーター、アノラック、アクセサリーなど幅広い商品を扱いながら、ブランドは数年にわたって、シンプルなデザイン性を貫いている。そのほとんどは1990年代のロシアの労働階級文化(ボクサー、囚人のイメージやクラシックなテレビショー)のヴィジュアル表現的デザインに限定されており、「街は恐ろしい軍隊」、「わたしは常に反対する」など、挑発的で皮肉的なメッセージが書かれている。
しかしながら、Sputnikの服は手軽な価格で買える。Tシャツは1,500ルーブル(およそ2,400円)となっており、一般市民のためのストリートウェアだと言える。
「ロシアンゴシック」の歴史を語ってくれるこのブランドはおそらくロシアのブルータリズムファッションを追求する人々の御用達だろう。シンプルで形のはっきりしたスケーターファッションとニヒルなパンクカルチャーの美学を融合させたVolchokのTシャツとセーターは、現在ではロシアでも手に入るようになり、人気が出てきたVansやNew Balanceなどの靴と非常によく合う。
またさまざまなロシアのラッパーやパンクロッカーたちがこのブランドを愛用していることもあり、現在はロシア全国に10店舗を展開する。店舗で販売されているTシャツは1,400ルーブル(おおそ2,300円)ほどで買える。
サンクトペテルブルクを拠点とするハンドメイドのスニーカーメーカーAFourは世界でもっともスゴいランニングシューズを作っている。イタリアとロシアで調達した革を使って工房で丁寧に作られたシューズは普通の店と同じようにクオリティが高い。New Balance風の厚底のソールを持ち、スケートボード的なルーツを有していることから、スニーカーはスタイリッシュなシンプルなラウンド型をしていて、90年代の雰囲気を感じさせる。さらにAfourのスニーカーは斬新なカラーを揃えており、個性的で表現力のあるクオリティを生み出している。これは他の大規模なスニーカーブランドには真似のできないもので、Afourではオンラインで自分だけのオリジナルスニーカーをデザインすることもできる。
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