モスクワの空港で、床に寝転んだり、トイレで着替えることはもう出来ない。 そして・・・禁止事項はこれだけではない

スタニスラヴ・クラシリニコフ撮影/TASS
 モスクワの3つの空港で、新しい規則が導入された。空港をこれから利用する場合(到着するときも、出発するときも)知っておかなければならないこととは?

 トイレの個室で着替えをしたり、子供を荷物カートに乗せて遊ばせたりしたいと思ったことがある人には嬉しくないニュースである。

 シェレメチェヴォ、ドモジェドヴォ、ジュコーフスキーの各空港における新しい規則がモスクワ市議会で可決され、施行された。新しい規則によると、違反に対しては100ルーブルから500ルーブル(およそ170円から860円)の罰金が課せられる。

 新しい規則は空港からホームレスを一掃するのを目的としたもので、不潔で悪臭のする衣服を身につけていたり、床に座り込んだり、寝転んだりできなくなる他、トイレの個室で着替えたり、洗面所で洗濯したりすることが禁止される。

 しかし、ホームレスを想定したとは思われない規則も見受けられる。たとえば、ジャイロスクーターで人混みを縫うように走ること、またヘッドフォンを使用せずに大音量で音楽を聞くことも禁止された。荷物用カートは本来の使い方しかしてはいけない。(ため息)

 この新たな規則はすでにインターネットユーザーの間で否定的な反響を呼んでいる。「ナンセンス。冬に南国に旅行するときはどうするの。着替えをしなきゃならない。こんな規則はプライヴェートジェットで飛ぶ連中のことしか考えていない」。ナタリヤさんはそう書き込んでいる。

 母親たちは、子供が吐いたりした場合でも規則違反になるのかと心配している。また床に座ることはいかなる犯罪にも当たらないと主張する人もいる。「最近パリの空港で物乞いをたくさん見かけた。彼らは確かに遠くからでも臭ったわ。でもこぎれいな格好をした若者が床に座っていても誰にも迷惑をかけていない」。マリーナさんはフェイスブックにそうコメントした。

 さらに、乗り継ぎの時間や、朝の4時に空港に到着し、フライトが7時というような場合に、椅子に横たわって仮眠を取ることができなくなることにも疑問が呈されている。(これも禁止される)

 一方で、こうした決定に賛同する意見もある。「シェレメチェヴォ空港に夜に2時間いたとき、数十人もの物乞いが歩き回ったり、椅子で座ったり寝たりしていた。そんな椅子に座るなんて想像もできない」とアンナさんは言う。

 以下がその禁止事項リストである。

  • 乗客に宿泊先やタクシーの執拗な勧誘をすること
  • 商業目的で写真やビデオ撮影をすること
  • 許可なく商売をすること(利用客に物品やサービスを販売する等)
  • 許可なく広告、注意書き、ポスターを掲示すること
  • 大型のものを運ぶのに乗客用エレベーターを使用すること(大型の定義はされていない)
  • 荷物用カートやベビーカーをエスカレーターや動く歩道で利用すること
  • 通路や建物の出入り口を荷物で塞ぐこと
  • チェックインまたは出入国検査の列に並んでいる際に、黄色の線を越えて待つこと
  • 出発ホールの待合席に荷物を置くこと
  • 自分の荷物から離れること
  • 荷物用カートを、主な目的以外(子供を乗せるなど)に使用すること
  • 不潔で悪臭のする衣服を身につけたり、そのような荷物を持つこと
  • 航空券や飛行機の予約なく24時間以上空港内にとどまること
  • 不適切な場所でシャワーを浴びたり、衣服を洗ったり、着替えをすること
  • 飛行機に載せる盲導犬やその類の動物以外の動物を空港に持ち込むこと
  • ペットを放したり、散歩したり、餌をやること
  • 動物に乗ること(チャーミング王子さん、馬から降りてくださいね)
  • ジャイロスクーター、セグウェイ、一輪車、自転車、キックスケーター、ローラースケートに乗ること
  • 風船、ドローン、模型飛行機、凧を飛ばすこと
  • ヘッドフォンなしで音楽を聴くこと
  • 椅子、ベンチ、床に寝転がること

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