ちょっとひとひねり。“メイド・イン・ロシア”の贈り物10選

 ホフロマやウシャンカ、そしてウォッカにはうんざり? ロシア・ビヨンドのガイドのもと、現代の驚くべきギフトを選んでみよう。

 新年やクリスマスも間近。今回ロシア・ビヨンドは、ロシアから来る友人や親戚にお土産として持ってきてもらう(あるいはインターネットで注文する)のにふさわしいものをお教えする。そして、サモワールやマトリョーシカ、ホフロマだけでなく、香水から本まで、記憶に残る現代の品々もまた、メイド・イン・ロシアの贈り物としてふさわしいことを証明しよう。

 

1. ナタリヤ・ブリャンツェヴァのAVGVSTより、マレーヴィチの芸術至上主義的指輪

 ナタリヤ・ブリャンツェヴァは若いデザイナーで、エカテリンブルグのブランドAVGVSTの創設者である。このブランドは概念的な装飾品の品揃えが豊富で、銀やメノウ、エナメル製のお財布に優しいものから、貴金属製やダイヤモンド付きの高価なものまである。ナタリヤは最小限の単純な幾何学図形から着想を得ている。もちろん、ロシア革命100周年を期に特にアクチュアルなっているマレーヴィチのコレクションに見られるロシア芸術至上主義も彼女のインスピレーションの源泉である。

jewelry-in-august.com(英語)

2. Deerzより、シベリアのセーター“オーロラ”

 Deerzというブランドはモスクワの家族ビジネスだ。極圏のノリリスクから首都へ移住して来たミネエフ家の兄弟アレクサンドルとアレクセイは、高品質の羽毛でできたセーターを製作している。オリジナルプリント付きで、鹿をモチーフにしたスカンディナヴィア風のものも、ソヴィエトの過去をモチーフにしたノスタルジックなものもある。彼らは、マイナス30度の屋外で遊んだことや、ある極寒の夜に初めてオーロラを見たことを今でも思い出す。そしてもちろん、彼らが自身のコレクションにおいてこのテーマを避けて通ることはできない。

www.deer.ru  

3. Heart of Moscowのバッヂ

 モスクワのお土産の月並みならぬブランドであるHeart of Moscowは、マグネットやジョッキ、パーカー、メモ帳、その他古き良きモスクワへの愛に貫かれた品物を多数作っている。今年このブランドは、アヴァンギャルドのコレクションを作り、革命100周年に万全の準備をした。このバッヂのシリーズは、トレチャコフ美術館のコレクションに含まれるロシア・アヴァンギャルドの巨匠たちの作品の断片を象ったものである。少なくとも10個は買うことをお勧めする。普遍的なお土産は芸術に関心のない人々でさえ喜ばせるはずだ。

www.heartofmoscow.ru(英語)

4. ゴーシャ・ルブチンスキーの靴下 

 今やゴーシャ・ルブチンスキーの名を聞けばロシアの流行が連想される。まさに彼が、フーリガン風の様式を流行させ、ファッション産業と、街の場末にいるロシアのごろつきの形象と引き合わせたのだ。最近彼は特にモスクワのコンセプト・ストアのためにカプセル・コレクションを作った。それは“日の出 KM20”というシンボリックなプリントのあるスポーツシャツや靴下、マフラーから成る。このような贈り物は、どの国の人であれ、流行に敏感な人なら評価するはずだ。

www.km20.ru

5. Nnedeより、《桃を持つ少女》のコースター

 もちろんこれは単なる食器ではなく、NnedreというブランドとShaltai-Boltaiという店のためにイヴァン・トゥゾフが作った真のアート作品だ。これはロシア絵画で特に有名な肖像画の一つ、ヴァレンティン・セロフの《桃を持つ少女》のアクチュアルな解釈だ。マリオとマインクラフトの愛好家であれば、壁画としてもコースターとしても使えるこの皮肉たっぷりで機能的な品を評価することだろう。

www.shaltai-boltai.ru 

6. Pakli Woodより、子供用ブロック“キリン” 

 明色の木製パズル・ブロックを作っているのはペテルブルグのブランド“パクリ”。コレクションには安全な塗料で彩色された野生動物がある。大きなパズルはどんな平面や床の上でも組み立てることができ、すべての部品を本来の用途以外にも用いることができる。木の部品で家を作ったり、石板用の塗料を塗られた基部にチョークで絵を描いたりできる。

instagram.com/pakli_wood/ 

7. セルゲイ・ナウモフの口紅

 どんな女性でも、ロシア製のデコレーション化粧品との出会いに歓喜するだろう。ただし、これが有名なヴィザジストのセルゲイ・ナウモフが作った商品であれば、の話。最近の彼の切り札は、無光沢の口紅Lipstick Matteだ。6種のユニバーサルな色から選べて、必ずすべての女性に似合うこの口紅は、いかなるプレミアムなブランドの商品をも競争に晒すことになるだろう。成分には、柔らかい肌の乾燥を防いで唇の潤いを保つ役割のある、杏子の種の油が含まれている。

www.snaumov.com 

8. SelectionExcellenceの香水№15

 Selection Excellenceはロシア初の選択的香水のブランドである。そのコレクションには30の香料があり、その一つ一つが、いわば自然素材と芳香油との複雑なカクテルである。このブランドのすべての香水が男女の別なく使える。これらは男性のあるいは女性の肌の上でさまざまな広がり方をする。香水№15は最も豪華で人気があり、甘酸っぱく、残り香がして、魅惑的で、意識を刺激してくる。社交用にも普段用にも最適だ。

www.selexcellence.com 

9. 帝国磁器工場の犬の置物

 この工場は、ヨーロッパで最古の磁器工場の一つである。芸術的な磁器工芸品を製造する企業としてはロシアで初めてのもので、1744年に創立された。この工場の品数は莫大で、何か一つに注意を向けるよう助言することは難しい。つまるところ予算によりけり。もし予算が少なければ、来年のシンボルである犬の置物をプレゼントするのがよいだろう。犬の品種も幅広く選べるからなおさらだ。

www.imperial-porcelain.ru  

10. 出版社“スローヴォ”の画集セルゲイ・シチューキンとそのコレクション』

 ロシアでは今、最良の贈り物は本だと考えられている。芸術関連の画集よりよいものがあるだろうか。ましてこれは外れのないヒットなのだから。セルゲイ・シチューキンの伝説的なコレクションの初めての完全な挿絵入りカタログだ。モネやセザンヌ、ルノワール、ピカソ、ファン・ゴッホ、マティス――これらは、その作品がシチューキンのコレクションに含まれ、また今日ではその作品がエルミタージュやプーシキン美術館を飾っている天才たちのリストのほんの一部にすぎない。ところで、去年パリで行われたルイヴィトン基金によるこのコレクションの展覧会は、世界で最も多くの入場者を集めた。その数は120万人以上であった。

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