外国人がロシアの気候をなげく、人気のロシアン・ジョークがある。ロシアで学ぶ留学生が家族に手紙を書いた。「『緑の冬』はまだ大丈夫だったが、白い冬になってからは大変…」。つまり、外国人にとってロシアは年中冬だという意味である。
もちろん、365日ずっと凍えるほどの寒さが続くわけではない。気候には地域差がある。たとえば、南部のソチ市では、2月でも気温がマイナス6℃以下になることはまれ。
北東部のヤクーツク市などの場所では、はるかに気候が厳しく、2月はマイナス33℃までさがることもある。でも心配は無用。猛烈に寒い場所だってとても楽しめる。相応の準備が必要なだけである。
暖かい格好をする
ジェド・モロス(寒波爺さん、ロシア版サンタクロース)に慣れていない国の人なら特に、暖かい格好をしよう。
外が氷点下なら、厚着は必須。防寒下着、シャツ、セーター、そして防寒外套。帽子、マフラー、手袋も忘れずに。
ただ、予定に合わせた服を着よう。劇場などに行って、屋外に5分もいないのであれば、防寒下着を着ると汗をかいてしまう。状況判断を大切に。
滑り止めブーツを買う
暖かい防水性の靴を用意して、ロシアの冬に立ち向かうこと。靴底には滑り止めが必要。凍結した道での転倒はよくある。打ち所が悪ければ大変なケガになりかねない。慎重に歩こう!
スキンクリームを使う
マイナス30℃の外を歩くために暖かい格好をしていても、顔は外気にさらされてしまう。それなりの保護が必要だ。凍てつく風は肌にダメージを与えるため、バリア機能のあるクリームを買おう。オイルベースのクリームが最適。ウォーターベースのクリームを塗ると逆効果になってしまう!
つららに注意する
春の太陽はいつでも大歓迎。氷からしずくが落ち始めると心地良い雰囲気になるが、先のとがったつららが落ちてくることもあるので注意。あまり建物に近づき過ぎないようにしよう。
しっかり食べる
身体に当たる日光が少なくなると、バランスを保つのが難しくなり、より多くのカロリーを燃焼する。「冬は厳しいダイエットには向かない」と、ロシアの栄養士マリーナ・ジョミナ氏は「論拠と真実」紙に話す。
冬の食事が不十分なのは良くない。だからといって、飴、脂肪の多い肉、その他の不健康な食べ物をたくさん食べてもいけない。ジョミナ氏によれば、野菜スープ、ドライ・フルーツ、ハチミツ(新鮮な野菜や果物を見つけるのが難しい場合)を食べ、肝油を摂取するのが一番良いという。
紅茶を飲む(ウォッカはダメ)
暖かくなるために、ウォッカを時々飲んだ方がいいとアドバイスするロシア人もいるが、それは間違い。アルコールを飲むと、暖かくなったと感じるだけで、危険な場合もある。アルコールが入ることで寒さに気づかずに、凍傷になってしまうかもしれない。ホームレスの人はこれで死ぬこともある。紅茶やその他の温かい非アルコール飲料を飲む方が、はるかに良い。