ロシア人の一部は、バルコニーに木製のスキー板を置いておく。何のために?と聞いたら、「万が一に備えて!」という答えが返ってくるだろう。薪としても使えるし、吸血鬼と格闘する時にも使える。
実際のところ、多くの人はノスタルジックな気持ちから保存している。青春時代の大切な思い出なのだ。ソ連時代にスキーを楽しんでいたなら、それはかなり恵まれた人たちである。
ソ連では、32キロのケトルベルの人気が高かった。ソ連の男性の多くが家に1つか2つ置いて、ウェイトリフティングに使っていた。今ではバルコニーでほこりをかぶっているが、かつては共産主義者の金とプラチナの隠し場所(ケトルベルの中に備蓄している)と考えられていた。そのため、少しでも財産が増えることを期待して、保管しているのだろう。
冬に向けて野菜を保存する必要があるということを、ロシア人は子どもの頃から教え込まれている。野菜を栽培できる別荘や時間がなくとも、ずっしりと重みのある漬け物瓶を保管し続ける。
古い冷蔵庫がなかったら、ロシアのバルコニーではない。中の棚板を取り出して、電源を切ると、靴下とタイツの便利なタンスになる。もちろん、最初にきれいに拭かなければならないが。
「古いテレビやラジオを絶対に捨ててはならない」なんて昔は言われていたものだ。これは冗談であるが、ほとんどのロシア人はとりあえず決まりを守っているようだ。
ペンキがべったりとついて、乾燥し、固くなった古いブラシほど役に立つものはない。ロシアは、ホワイトスピリットにブラシを浸す、地球上で唯一の国かもしれない。バルコニーにペンキとブラシを置いておく人が多いのはこのためだ。乾燥した塗料も、少しの溶剤で復活可能である。
木製のスキーを薪にするのに必要だ。
粉末洗剤や液体洗剤があるから、固形せっけんなんて使わない。だが多くの人が家で大箱に入れたまま保管している。使用期限はないから、粉末洗剤や液体洗剤が切れたら、汚れたパンツを洗うのに必要になるだろう。
ツルツルのタイヤは絶対に必要だ!って、え?何のために?必要だから必要なんだ。
「非常用備蓄品(NZ)」という言葉がロシアにある。ロシア人はこの意味をよく理解しているし、店は非常用に備えて、必ず重要な食材を保管している。核攻撃が現実的な恐怖であったソ連時代の名残りなのかもしれない。
ダーチャにロシア人が置いておく変な物の記事も乞うご期待。この記事に驚いた?まだまだ!
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