革命家たちの間では、ごくありふれたロシア人の名前に基づく偽名が、最もよく使われた。だから、「レーニン」は女性名「レナ」に由来するという説が有力だと思われるかもしれない。ただし、それは、女性名ではなく、シベリアの大河の名称「レナ」にちなんだものである。
また、レーニンがメンシェヴィキ(ロシア社会民主労働党が分裂してできた社会主義右派)のゲオルギー・プレハーノフを「あてこする」ためにこの偽名を選んだという説もある。プレハーノフは、しばしばヴォルギン(ヴォルガ川に由来)という姓を用いていた。
レーニン、1900年
Getty Imagesこの革命家は、1901年に初めて、印刷された著作にレーニン(より正確にはN.レーニン)という筆名で署名した。ちょうどこの頃、レーニンの女友達が、自分の父親、ニコライ・エゴーロヴィチ・レーニンのパスポートを彼に渡している――その生年月日を変えて。1900年、ウリヤノフは外国に行かねばならず、偽造書類が必要だった。
トルストイの中編小説『コサック』では、オレーニンという姓の主人公が、何となくコーカサスに行き、文明から遠く隔たった生活に惚れ込む。レーニンはトルストイ作品を愛読しており、レーニンの妻ナデジダ・クルプスカヤの回想によると、レーニンは、シベリア流刑に向かう途中でまさにこの物語を読んでいたという。1898年のことだ。
1918年、第1回全ロシア教育大会後
Getty Imagesレーニンによれば、トルストイは「ロシア革命の鏡」であり、作家・歴史家のアレクセイ・ゴレンコフによると、トルストイ作品の主人公の姓が、名高い筆名のもとになった可能性が高いという。
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