1949年、パブロ・ピカソは唐突にスターリンの70歳の誕生日を祝福した。
これはフランス労働総同盟の依頼によるもので、その機関紙La Vie ouvrière(労働生活)に掲載された。ピカソはフランス共産党員であり、熱心な共産主義者だった。
ピカソの寄稿は寓意的なもので、ワイングラスを掲げた手を描き、Staline à ta santé(スターリンの健康を祈って!)と書き添えた。
だが党員の間では、こうした表現は慣れ慣れしく無礼だと捉えられたようで、イラストに批判が集中した。そもそも共産党では、写実からほど遠いピカソの画風と相容れず、ピカソをあまり快く思っていなかった。とはいえ、ピカソから援助は受け取っていた。
なお、ワイングラスを掲げた手は、ピカソの祝福の中では「最悪」ではないかもしれない。一時期、ピカソはスターリンをヌードで描いた英雄像を構想していたが、党の怒りを懸念して実現しなかった。
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