ソ連はいかにして国民をナチスとの戦いに駆り立てたか

　戦時中、工場はさらなる労働力を必要としていた。重労働に駆り出されたのは、学徒、学生、職業学校の生徒だった。

　画家らはまた、子供に敵の発見を手伝うよう呼び掛けた。アレクセイ・パホモフのポスターでは、ピオネールが大人にドイツ軍空挺部隊の到来を報告しようとしている。

　前線や工場での手伝いの他、子供は優れた学業成績を収めることも奨励された。

工業に従事する人々を扇動するため、画家らは彼らの労働が戦場で敵を打ち砕く様子を描いた。

　またポスターでは、男性に代わって工場や戦場で働く女性も描かれた。トラクターに乗る女性の像は、戦車に乗る男性の像になぞらえられた。

　前線の兵士の士気を高めるため、画家らは子供や女性、老人など、銃後にいる人々を描いた。憔悴して絶望に満ちた表情を浮かべる人々の姿は、兵士の同情とナチスに対する憎しみを呼んだことだろう。

　画家らは、兵士の自己犠牲の模範を示し、スターリンの激励の言葉や、14世紀にモンゴル・タタール軍を破ったドミトリー・ドンスキー公などの歴史的人物の語録を引用した。

　戦時中のソビエト国家は、子供たちやひとり親たち、前線で両親を失った孤児らに追加の物質的援助をするよう努めていた。