ピョートル大帝のお宝の由来は:エルミタージュ美術館とクレムリン博物館の基礎に

モスクワのクレムリン博物館、Jean-Marc Nattier/エルミタージュ美術館
 ピョートル大帝(1世)は、美術品の収集を始めたロシア最初のツァーリだった。彼は、貴重で興味深くユニークな宝を、自分の楽しみのためだけでなく、国の栄光のために集めた。彼が大旅行中に集めたコレクションは、現在のエルミタージュ美術館とモスクワのクレムリン博物館群の基礎となった。

 ピョートル大帝(1世)は、美術品の収集を始めたロシア最初のツァーリだった。彼は、貴重で興味深くユニークな宝を、自分の楽しみのためだけでなく、国の栄光のために集めた。彼が大旅行中に集めたコレクションは、現在のエルミタージュ美術館とモスクワのクレムリン博物館群の基礎となった。

 1. 君主の愛顧のしるしとして、君主の肖像が描かれたメダリオンと装飾を下賜するヨーロッパの慣習が、ピョートル大帝(1672~1725年)のもとでロシアでも行われ始めた。

王冠を戴いた、ピョートル1世の肖像付き装飾

モスクワ、クレムリン工房、18世紀初め

金、銀、貴石、ガラス、塗装エナメル、鋳物、彫金、彫刻、背景彫刻、ニエロ(黒金)

モスクワのクレムリン博物館

2. 16世紀にアウクスブルクで製作されたこの時計は、イワン雷帝(4世)への贈り物だったと考えられる。

時計「バッカス」

アウクスブルク、16世紀後半

ブロンズ、彫金、鋳物、彫刻、金メッキ

モスクワのクレムリン博物館

3. この儀式用の杖は、コサックのアタマン、イワン・マゼッパのもので、マゼッパはピョートル大帝を裏切り、スウェーデンに寝返った。杖は、大北方戦争の雌雄を決した「ポルタヴァの戦い」(1709年)の後で鹵獲された可能性が大きい。

儀式用の杖

トルコ、17世紀後半

銀、銅、ひすい、トルコ石、木材、鍛造品、彫金、金メッキ、象眼

モスクワのクレムリン博物館

4. 「アミューズメント・カップ」はヨーロッパの貴族の間で人気があり、ピョートル大帝もこれを好み、サンクトペテルブルクの宮殿に、こういう楽しい食器を並べていた。このカップはそれらのうちの一つだ。

アミューズメント・カップ

ニュルンベルク、17世紀

シルバー、非貴金属、彫刻、彫金、パンチング、金メッキ

モスクワのクレムリン博物館

5. この素晴らしい中国のおもちゃは今でも動く。直線的に進んでターンする間に、おもちゃの音楽家が楽器を演奏し、乗組員が船を「動かす」!(操船の様子の動画は、展示場で見ることができる)

時計仕掛けのおもちゃ「天の船」

中国、清王朝(1644~1912年)、1755年以前

白色の金属、木材、象牙、インク、天然素材による枠、ワニス、植物繊維の糸、金メッキ、パンチング、彫刻、金メッキ、塗装

ピョートル大帝が創設した人類学・民族学博物館「クンストカメラ」

6. この時計は、1697〜1698年の、欧州への大使節団派遣に際し(ピョートル大帝自身も匿名で参加した)、ピョートルがロンドンを訪れた際に作られ贈られたものと思われる。

両面蓋 透かし時計

ロンドン(?)、1700年代、ポール・ルレン工房

銅合金、鋼鉄、研磨した鋼鉄、銀、エナメル、ダイヤモンド、ルビー、金メッキ、パンチング、ガラス、シルク

エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク

7. 絵は、ドイツ出身のオランダの画家、オットマー・エリガー(1666~1735年)による水彩だ。

オットマー・エリガー、宝石をちりばめたカップ

水彩、ロシア、1730年代

紙、ブラシ、ペン、金メッキ、インク、水彩

エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク

8. これも、ピョートル大帝の中国コレクションの美しい作品。このヘアピンは、おそらく、実際に女性の髪の毛をまとめるのに使われたことはない。あまりに高価な品だったから。

不死鳥と鯉のいる風景を象った大型ヘアピン

中国、明王朝(1368~1644年)

金、ルビー、サファイア、鉱物塗料(砕石)、フィリグリー(金属製の線状の透かし細工)

エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク

9. このユニークな装飾は、決してプリミティブなものではない。何しろ2000年以上前の品なのだ。このウエスト・プレートは、シベリアの遊牧民の王が所有していた。大きな資産に匹敵するほどの価値があり、そもそも現存することが奇跡だ。遊牧民の王はこういう宝を保管する宮殿や宝物殿を持っていなかったことを考えてほしい。

竜をあしらった透かし彫りのウエスト・プレート

シベリア、紀元前2~1世紀

金、紅玉髄(カーネリアン)、ガラス、黒石、鋳物、象眼

ピョートル1世のシベリア・コレクションより

エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク

10. この王冠は、モスクワで1680年代に制作された。ピョートル1世が兄のイワン5世とともに「共同統治」していた時代のものだ(イワンの王冠はよりシンプルだった)。ピョートルが最後にこの王冠をかぶったのは1696年のこと。

ダイヤモンドの王冠

モスクワ、クレムリン工房、1680年代

銀、金、宝石、ダイヤモンド、鋳物、彫金、彫刻

モスクワのクレムリン博物館

*ピョートル大帝の個人コレクションの最も素晴らしい美術工芸のいくつかは、2020年3月8日までモスクワのクレムリン博物館に展示されている。

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