私たちは、ロシア語が母国語ではないネットユーザー、同僚、知人に、ロシア語はどのように聞こえるのかを尋ねてみた。答えはさまざまだった。メロディアスな言葉だという人もいれば、アクション映画のマフィアを思い出す人もいた。
マフィアや大統領の言葉
セルビア出身のヴァニャさん(女性)は、文学部でロシア語を学んでいる。彼女は、ロシア語の響きから受けた第一印象はもう覚えていない。しかし、妹の反応について次のように語ってくれた。
「あるとき、全身黒づくめの服を着て、面白半分にロシア語で何かしゃべって、ロシア語の響きを真似ようとしたことがある。すると、妹は私を見てこう言った。『もしお姉さんを知らなかったら、マフィアか!と思っただろうね』」
ヴァニャと大学で同窓のラナさんは、ロシア語は他の言語とは違う、なにか特別な感じがすると答えた。「すべての言語の代表格で、大統領の言葉みたい」
ユーザーのオリバーさんは、ロシア・ビヨンドの英語のテレグラムチャンネルへのコメントで次のように答えた。
若い頃、自分がロシア語を聞いたのは「ジェームズ・ボンド」のような映画の中でだけで、そこではロシア語はいつでも粗野で邪悪に聞こえた。しかし、自分が実際にロシア人に会ったとき、ロシア語は詩的で美しい、全然異なる言語だと気づいた。
落ち着いた深い言語
ロシア・ビヨンドのフランス語のテレグラムチャンネルのユーザー、ジャックさんは、ロシア語を聞くと心が落ち着くと言う。「毎晩、寝落ちするために、ロシア語の何かの録音を聴く。ロシア語は子守唄のようなもの」
ロシア・ビヨンドのフランス語のテレグラムチャンネルのユーザー、Nąrðrażima Sïstra Jeżzebelle さんは、ロシア語はメロディアスで、豊かなイメージを醸し出し、響きが美しい、魂と心の言葉だと答えた。
「ロシア語ほど人間のあらゆる感情を深く正確に表現できる言語は他にない。ロシア語のこうした“芸術”を捉えて伝えることができるのは詩だけだろう」
ロシア・ビヨンドの英語のテレグラムチャンネルのユーザー、Andrei 1 2 3さんは、ロシア語の響きは、それを話す人によると言う。彼にとって、映画監督ニキータ・ミハルコフ監督の話すロシア語は、「賢明で、落ち着いて、穏やか」に聞こえる。一方、 詩人・俳優・シンガーソングライターのウラジーミル・ヴィソツキーのそれは、「軽々しいがカリスマ的で、何か巨大に」響くそうだ。
ポーランド語みたいにシューシューいう
マイケルさんは20年ほど前に、ロンドンからロシアに移住してきた。彼にとって、ロシア語は最初、ポーランド語のように聞こえたという。
「私の母はポーランド人で、私も子供の頃はポーランド語を勉強していた。そのため、私にはそれがポーランド語の歯擦音のように聞こえた。でも、ロシア人はもっと高い声域で話す」
中国出身のニックさんは、 2年間ロシア語を学習している。彼がロシア語を初めて聞いたのはコンピューターゲーム「レッド・アラート」で、その響きは「大胆で力強い」ように思えた。しかし、ニックさんは、マイケルさんの意見には反対で、ロシア人の声は低いと思っている。
ロシア語のマート(卑猥な罵言)にも独特の“魅力”
ロシア・ビヨンドのドイツ語のテレグラムチャンネルのユーザー、tbd_tbd_tbdさんは次のように書いている。
「私にとって、この言語は、もし絶えずマート(卑猥な罵言)で中断されるのでなければ、最も美しく聞こえる言語の 一つだ。ところが、そのマートにも、私が知っている他の言語にはない、独自の“魅力”がある。ロシア語の美しさのすべてを実感したいなら、ロシアの詩を原文で学ぶべきだ」
一方、ロシア・ビヨンドの日本語のツイッターのユーザーたちは、ロシア語が“猫語”を連想させるという点で意見が一致している。
「たまに、猫の鳴き声みたいな音が聞こえる」と、あるユーザーは書いている。
「ロシア語はニャーニャーシャーシャーしてて猫っぽい。可愛くてかっこよくて美しい音」。他のユーザーもこれに賛成だ。
こんなコメントもある。「カクカクしてるかと思ったら、ニュルニュルしてる時もある」
登録者の一人にこんな面白い指摘もあった。「ロシア語の言葉で『что-то』が面白いです。『ちょっと』のように聞こえますが、『何か』の意味です」