「リンゴ変容」は、正教の「主の顕栄祭」(主イエスの変容の祭日)とつながっており、いずれも8月19日に祝われる。
この伝統はキリスト教の伝来以前に遡るが、キリスト教の影響も受けており、他の昔からある祭日のように、宗教的だけではなく、農耕文化と食文化においても大事な日だ。
革命前の農民のほとんどは読み書きが出来なかったが、四季の変化には非常に敏感で、様々な聖人の祭日がその区切りをなすようになった。年月とともに、季節と宗教は徐々に切り離せなくなり、作付けや収穫が正教の暦と重なる。
ソビエト時代、政府は宗教の祭日をやめさせようとしたが、ヤブロチヌイ・スパスはロシアの暦から外すに外せなかった。
ペレストロイカ後の社会ではこの収穫の祭日を盛大に祝う習慣が戻ってきた。リンゴは、ジャムやサイダー、クワスになったり、干しリンゴやリンゴのパイになったり、砂糖とナッツで丸焼きにされたり、多彩に「変容」する。
さて、簡単に作れるリンゴのケーキを探しているあなた。このレシピを覚えればとっておきの一品になるはず。
このシンプルなデザートはロシアでは誰もが知っているものであるが、起源は18世紀に英国で作られた「シャーロット」と呼ばれるデザートである。リンゴのパンプディングは、当時の農民が作り始めたもの。
ロシア版「シャーロット」は、19世紀の初めに、ロンドンでロシア皇帝アレクサンドル1世に仕えていたフランス人シェフ、マリー=アントワーヌ・カレームが創作した。後にこの料理は人気となり、またババロアとサヴォイアルディ・クッキーを使わずにビスケットとリンゴで作るシンプルなパイになった。そして名前も「シャルロートカ」と呼ばれるようになった。
1. オーブンを180℃に余熱する。ケーキ型の表面にはバターを塗る。
2. リンゴは皮を剥いて、芯を取り除き、8等分する。スライスしたリンゴをケーキ型に、できるだけ隙間ないように敷き詰める。
3. もしリンゴが余ったら、さらに小さく切って、隙間に入れる。ケーキ型の底が完全にリンゴで覆われるようにすること。
4. シナモンとカルダモンを少量、振りかける。
5. バッター液を作る。ボウルに薄力粉、砂糖、塩を入れ、卵を加えて混ぜ合わせる。
6. 最初はかなり固い感じがするが、均等に混ざり合い、濃厚になるまで混ぜ続ける。
7. 出来上がったら生地をリンゴの上に流し込む。リンゴがすべて覆われるようにする。
8. ケーキ型をオーブンに入れ、35分から40分焼く。
9. 竹串を刺してみて、どろっとした生地がついてこなければ完成。できていない場合はもう少し焼く。焼きあがったら、粗熱を取って、ケーキ型から外す。
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