ロシア各地の変わった飲み物7選

ロシア料理
マリア・ブニナ
スムージーやカクテルが登場する以前から、ロシアでは栄養価の高い独自の飲み物が登場していた。その中でも特に面白い物をご紹介したい。

1/ 松のレモネード

 森と松の香り豊かなレモネード。針葉樹の新芽と松かさが材料である。新芽を煮出して、お好みでレモン汁、もしくはその他の柑橘類系の果汁を加える。暑い日に特に好まれ、免疫力を高めるとされる。ヤロスラヴリ州やペルミ地方など、針葉樹林が広がる地域で味わうことができる飲み物だ。

2/ スーリツァ

 花の咲く野草、種子、穀物を蜂蜜水に浸けたもの。スーリツァはキリスト教以前からスラブ人が愛飲していた伝統的な飲み物である。ヴォロネジ州でそのレシピが復活し、自宅でも製造可能になった。

 3㍑容器の3分の1まで様々なハーブ(タイム、カモミール、ヤナギラン、ミント)で満たし、剝いていないオート麦の煎汁600gと蜂蜜150gを加える。その後、瓶をガーゼで覆って、暖かい場所で2日間保管する。出来上がった液体を冷やせば完成。

3/ ボロトフ・ティー

 トゥーラ州で味わえる飲み物。ハーブを煮出したもので、健康長寿に良いとされる。トゥーラ州のドヴォリャニノヴォ村に植物学者アンドレイ・ボロトフ邸博物館がある。

 彼の考案したこのハーブティーのレシピは、カッコウチョロギ、サルビアの葉、カモミールの花が均等に配合されている。トゥーラ名物のプリャーニキのお供に呑むのが最適だろう。

4/ ボダ、あるいはナナイ・ティー

 アムール川流域の先住民であるナナイ族はロシア極東に居住し、何百年にもわたってボダを作り続けている。穀物が原料の飲料だ。

 キビ、米、パール大麦、時にはインゲンマメも用いる。これらの煎汁に、ナナイ族はサケの卵と植物油を加える。

 彼らによると、ボダには食中毒からの回復効果があり、二日酔いにも効くという。

5/ アルサ

 渇きと飢えに効く、ブリヤートの飲み物だ。かつては、野良仕事の際に作られた。ミルクを塊状になるまで煮込み、水を加え(肉のブイヨンの場合もある)、続いて小麦とキビを投入して30分ほど煮る。こうして、パンの風味が特徴的な乳飲料が完成する。

6/ ポザ

 甜菜を原料とする、弱アルコール性の飲み物。かつてモルドヴィアでは儀式用の飲料であり、結婚式や葬式など、重要な行事に供された。

 まず甜菜をオーブンで蒸し、ライ麦粉と水、砂糖と麦芽を加えてさらに煮込む。こうして、甜菜ベースのクワスが出来上がる。

7/ ブィイルパフ

 ヤクートの伝統的な乳発酵飲料。競馬や踊りや野外の催し物で賑わうヤクートの夏祭り「イスィアフ」には欠かせない飲み物だ。乳発酵の炭酸飲料で、暑さを和らげてくれる。

 レシピは様々だが、最もスタンダードなものは牛乳ないしケフィアとイースト(ヨーグルトでも可)をベースとして、砂糖やコンデンスミルクを加えて作る。これを数日間、暖かい場所に保管して浸けておけば完成だ。

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