ロシアで育つ8つのエキゾチックな野菜と果物

ロシア料理
マリア・ブニナ
 多くの外国人は、ロシアでは常に気温が氷点下50度であるため、栽培できるのはジャガイモとビーツだけだと考えている。一部の地域では気候は確かに厳しいが、すべての地域でそうというわけではない。ここに栽培されている予想外の果物、野菜、香辛料をリストにまとめた。

1. キウイ

 キウイ発祥の地は中国と考えられているが、このビタミンCの宝庫の主な輸出国にはイタリア、ニュージーランド、チリ、ギリシャ、フランスである。ロシアでは、キウイはクラスノダール地方とクリミアで栽培されている。そして、サイズが小さいいくつかの品種が極東にある。

2. ターメリックとサフラン

 一見すると、サフランとターメリックはロシア料理とはかけ離れている。インドのカシミールサフラン、スペイン、イラン、モロッコのサフランが世界的によく知られている。しかし、ターメリックとサフランはどちらもロシア南部の地域、つまりコーカサスとクリミアで栽培されている。しかもその量は輸出にも十分なほどだ。

3. パッションフルーツ

 濃い紫色または黄色の皮と甘い果肉を持つ南米の果物は、暑い気候を好む。ロシアでは、クラスノダール地域がそのような気候にあたる。ここではパッションフルーツは露地でも栽培されている。地元の農家によると、その果実の大きさと甘さはトロピカルフルーツに匹敵するという。確かに、植栽は実験段階で、まだ産業規模には達していない。

4. アマランサス

 アマランサス、または「アステカ小麦」とも呼ばれる植物は、南米、中国、米国、アフリカやヨーロッパの一部の国で盛んに栽培されている。興味深いことに、ロシアではアマランサスは古代ルーシの時代に料理や宗教的儀式に積極的に使用されており、当時は強さ、繁栄、不死の象徴だった。しかし、18世紀になるとピョートル1世の治世と西洋の影響を受けて、料理では小麦や米に取って代わられ、その重要性は失われてしまった。

 アマランサスへの関心は過去20年間で再び高まり始めており、非常に有用な食品と考えられている。幸いなことに、ロシア中央部、シベリア南部、極東の気候はこの植物の栽培に非常に適しており、この地域では暖かい日が90-120日あれば成長し、熟する。

5. アーティチョーク 

 これはヨーロッパ諸国では一般的な野菜だが、ロシアではまだあまり一般的ではない。しかし、知られていないとも言えない。ピョートル1世はヨーロッパ訪問後、アーティ チョーク中毒になり、テーブルにアーティチョークがなければ食事を取らなくなったと言われている。現在ロシアでは、主にクラスノダール地方の民間農場で栽培されている。

6. ゴーヤ (ツルレイシ)

 ロシア南部では、東南アジアの熱帯地方に自生するエキゾチックな蔓植物、ゴーヤも栽培に成功している。それは「インドザクロ(ツルレイシ)」と呼ばれ、ワニのような皮の下にはザクロに似た種子がある。ほのかに苦みのあるカボチャのような味だが、おいしい料理を作ることができる。

7. ポポー(アケビガキ)

 北アメリカ原産のポポー、または「バナナの木」は手がかからず、ロシアにとってはエキゾチックな植物である。大きくてクリーミーな味の果実のなるポポーはやせた土壌でも育ち、氷点下30度までの寒さにも耐えられるため、チャレンジングな庭師たちがモスクワ郊外に植えている。しかし、この植物が最も快適に感じるのは黒海沿岸である。

8. ナツメ

 ナツメ、もしくは通称「中国ナツメヤシ」は、ロシアの寒さがあまり好きではない。耐えられる最低気温は氷点下15だ。したがって、極東とシベリアでも栽培されてはいるが、国の南部(クバンや北コーカサス)の方が収穫量がよい。中国中部と北部の品種が人気がある。この植物は手がかからない。貧しい土壌でも成長し、冬の間木を覆う必要はなく、苗木は露地に植えられる。そして、小さいながらも甘い果実が実る。

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