爽やかなロシアの自家製クワス(レシピ)

ロシア料理
ユリヤ・ムリノ
 ライ麦パンとモルトの香ばしさ、甘酸っぱい味、それに舌の上で泡がはじけるチクチク感・・・それがクワスの楽しさだ!

 クワスの特徴は、発酵させて作ること。それによって美味しくなるだけでなく、とても健康な飲料になるのである。主な材料は、モルト、小麦パンもしくはライ麦パンのパンくず。発酵を始めさせるのには、イースト菌が含まれているレーズンを使う。

 クワスは、人間の消化管系が正しく働くのを助け、有害な病原菌が拡がるのを防いでくれる。しかも、新陳代謝を促し、循環器系機能を正常に維持してもくれる。

 10世紀にクワスが最初に書物に登場した中世以来、このロシアでおなじみの飲み物は、体を強くし、元気づけてくれると称賛を持って信じられて来た。その後、近代になって、これは「善玉」菌の働きによるものであると科学者によって発見された。

 今日では、クワスはロシアのどの店にも置かれており、海外のロシア食料品店でも目にすることができる。しかし、もとはと言えば、クワスは家庭でつくられるものであった。自家製のものを飲むと、自分で用意した材料の天然品質を実感することができるだろう。

 さらに、砂糖の量も自分で調整できる。たとえば、目的によって砂糖の量を変えることもできる。クワスでオクローシカ(冷製スープ)をつくるときは砂糖を少なめにし、飲み物にするときは砂糖を多めにする。好みでスパイスや、柑橘類の皮、ベリー類を加えても良い。とはいえ、わたしが作るのはもっぱら伝統的なクワスである。

 子どもの頃、祖母はダーチャですべて手作りのクワスを飲ませてくれたものだ。それが比較的容易だったのは、そこの台所には常にライ麦パンと多くのレーズンがあったからだ。祖母はこれらに水を注ぎ、ガーゼで覆って暖かいところに置いた。こうすることで発酵が進むのである。

 そんなわけで、これらの材料と大きめの瓶、それに少しの忍耐力があれば、すべてが天然素材の手作り低濃度アルコール飲料、クワスを楽しむことができる。

材料(1.5リットル瓶):

作り方:

1. ライ麦パンをカットし、オーブンで乾燥させる。130℃で20分ほど。

2. お湯に砂糖を入れて混ぜる。粗熱をとる。

3. パンくずとレーズンを瓶に入れる。(レーズンを洗っておくべきかどうかについては意見が分かれるところで、洗わない方が発酵しやすいという説もある一方、使う前にさっと洗って乾燥させておく方がよいという人もいる)。

4. 水を注ぐ。

5. ガーゼで覆い、暖かい暗所に3〜4日置いておく。

6. 数日待ち、発酵が始まるかチェックする。

7. クワスを濾す。

8. 瓶に注ぎ、蓋をしっかりと閉め、冷蔵庫に入れる。

 最初は瓶の蓋を閉めて暖かい場所に置き、発酵が始まった後にレーズンと砂糖を加えた方がいいという説もある。

9. クワスは冷たいまま飲んでもよいし、また冷製スープを作るのに使ってもよい。

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