コロムナのパスチラ:長い歴史を持つ変わらぬ味のリンゴのお菓子(レシピ)

Legion Media
 リンゴ風味のふんわりお菓子、パスチラはイワン雷帝の時代にロシアに初めて登場した。これは収穫を保存しておくための中世の一つの方法であった。ここでは、このデリケートなお菓子を家庭で作る方法を紹介しよう。

 コロムナのパスチラ(北アフリカのシーフードが入ったパイ、パスティラではない)は、15世紀から知られるようになったロシアのパスチラの各地方の伝統菓子の一つである。実際、このコロムナというのはモスクワから100キロほど離れた町の名前から取られている。

 伝統的に、コロムナのパスチラを作るのには、「アントーノフカ」と呼ばれるリンゴ、そして今ではほとんど忘れられているコロムナのリンゴ「ゴルスカヤ・ゼレンカ」など、酸味のあるタイプのリンゴを使う。パスチラにはハチミツを加えて甘味を出していたが、19世紀になって、砂糖(泡だてたもの)が代用されるようになった。

 コロムナ、べリョフ、ルジェフの天然のリンゴを使ったパスチラ作り(べリョフのパスチラについて詳しくはこちらから)は、1917年の革命後、徐々に廃れ、フルーツ風味のビスケットのような本物のパスチラの味は長い間、忘れ去られていた。ソ連時代になって、パスチラは小さな白い板のような形(フランスのゼフィールに似た形)のものとなり、卵白と砂糖がたくさん加えられるようになった。

 しかし、リンゴまたはベリーで作る伝統的なパスチラの味が、21世紀の初頭、コロムナで蘇った。そして今、コロムナのパスチラは町でも売られるようになり、このデザートの歴史を知り、さまざまなタイプのパスチラを試してみたいというツーリストたちを惹きつけている。

 コロムナのパスチラとべリョフのパスチラの違いについて少しだけ説明すると、コロムナのパスチラは卵白がより多く含まれており、軽い食感になっている。しかも、砂糖は少なく、リンゴがたっぷり入っているのが特徴である。

 さて、ここでは、コロムナで作られているような、香り豊かで、しっかりとリンゴの味がする、甘さ控えめのパスチラを作ってみたい。一見、難しく感じられるかもしれないが、作り方はそれほど難しくはない。ただし、7時間ほど時間がかかるので、時間に余裕を持って作ってみよう。

材料(4人分)

  • リンゴ 800g
  • 砂糖 170g
  • 粉砂糖 大さじ3
  • 卵白 1個分

作り方

1.     まず、リンゴを180℃のオーブンで30分ほど焼き、アップルソースを作る。フォークで刺して、かなり柔らかくなっていれば良い。

2. リンゴがまだ熱いうちに、皮をむく。

3. ブレンダーを使ってなめらかなピュレー状にする。500gになるようにする。

4. まだ温かいうちにグラニュー糖170gを加える。

5. ピュレーを混ぜ、完全に冷ます。砂糖が溶けやすくするため、混ぜてもよい。

6. アップルソースが完全に冷めたら、大きなボウルに入れ、卵白1個分を加えて泡立てる。この過程で量がかなり増えるので、ボウルは大きめのものを使うこと。

7. 卵白を加えたピュレーを高速で5〜7分(またはそれ以上)泡立てる。真っ白で濃厚な状態にする。

8. 泡立てたピュレーを縁のある長方形の型に入れ、乾燥させる。ここでは20x30センチの型を使うが、小さめで高さのあるものでもよい(ただし高さは3センチまで)。

9. ベーキングペーパーで覆った型にピュレーを流し込み、スパチュラなどで表面を平らにする。後で全体を覆うためピュレーを1カップほど残して、冷蔵庫に入れておく。

10. 少し扉を開けた100℃のオーブンに入れ、3〜4時間乾燥させる。少しクリーミーになり、量が低くなる。また触っても手にくっつかなくなる。

11. 取り出したパスチラをパーチメント紙の上に置き、パスチラに付いているパーチメント紙をはずす。そのとき、少し水を付けると剥がれやすい。

12. ナイフで3層にカットする。

13. 残しておいたアップルソースを冷蔵庫から取り出し、3つにカットしたパスチラの表面、底、サイドに塗る。

14. 100℃以下のオーブンに入れ、1時間から1時間半、もう一度乾燥させる(温度が高いとくっつくため)。

15. 完全に冷まし、粉砂糖をふりかけ、召し上がれ!

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