有名なロシアの料理研究家のヴィリヤム・ポフリョプキンによれば、ブリヌィがルーシに登場したのは、9世紀以前、異教時代のことである。ブリヌィは神への生贄のため、あるいは死人を悼む日、祭日などに焼かれた。またかつてブリヌィは、季節を問わず、結婚式、乳児の洗礼式にも作られた。しかし、現在ブリヌィといえば、マースレニツァ(冬を送り、春を迎える祭日。バター祭りとも言われる)のシンボルである。ブリヌィは太陽を象徴しており、待ちわびた春の訪れとその喜びをイメージさせる。
マースレニツァの期間、ブリヌィは必ず大量に焼かれ、山高く重ねられる。そしてテーブルにはブリヌィと一緒に食べるジャムや練乳、あるいは塩っぱい具が用意される。しかしこのブリヌィの山の代わりにブリヌィのケーキを焼くこともできる。モスクワのレストラン「ラデュレ・ア・ラ・リュス」のシェフ、ロマン・パルキンさんがサーモンを入れたブリヌィ・ケーキのレシピを紹介してくれた。
「この料理では、クラシカルなロシア料理とフランス料理が融合しています」とロマンさん。「このブリヌィ・ケーキの良いところは、ブリヌィの層が他の食材より目立ちすぎることがないところです。ケーキにはサーモンとクリームがたっぷりで、バランスが取れた一品になっています」。
ボウルに卵を割り、砂糖、塩を加える。砂糖が完全に融けるまで泡立てる。牛乳、水、植物油を加え、混ぜる。スプーンで少しずつ小麦粉を加え、ダマができないよう泡立てる。フライパンを熱し、バターを塗り、1枚ずつ両面をよく焼く。
エシャロットはみじん切りにし、バターをひいたフライパンで柔らかくなるまで焼く。カッテージチーズを加え、ブレンダーにかけ、なめらかにする。1/5は盛り付けに使うのでよけておく。
ブリヌィ、ムース、小さく切ったサーモンの順に重ねていく。冷蔵庫に入れ、10〜12時間休ませてから、人数分にカットする。
切り分けたケーキをお皿に置き、小さじ1のムース、イクラを乗せ、ディルを飾る。
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