新年のお祝いにソ連の郷愁を添えてくれるミカンのパイ(レシピ)

Legion Media
 ソ連のどこに住んでいても、新年にはどの家のテーブルにも同じサラダと同じホロジェッツ(煮こごり)が並んだものだ。新年にはミカンを食べるのが慣例だが、こんな素敵なミカンのパイを食べられるのは幸運な人だけである。

 かつて、ミカンはクリスマスツリーにも飾られ、新年のガーランドを作るのにも使われ、新年のお祝いのテーブルの上を彩った。女性たちは、ミカンをサラダに入れたり、バスケットに詰めたり、美しくラッピングしてプレゼントにしたりした。というのも、ミカンは新年の前の時期にしか店頭に並ばなかったということである。ソ連時代、ミカンはアブハジアで栽培されていたのだが、12月にならないと熟さなかったのである。ソ連の人々はアブハジアのミカンが最高だと考えていた。まず、アブハジアのミカンには種がなかったこと。そして、そのミカンは倉庫に入れられることなく、直接テーブルに運ばれたからである。

 いつも同じような祝日の食卓を少しでも変わったものにしようと、わたしの祖母は 何週間も前から、新年にどんな料理を作り、子供たちを驚かせるためにどんなプレゼントを用意するのか、細かく計画を立てた。そして、このカッテージチーズ入りのミカンのパイが新年のテーブルに乗るようになったのである。その懐かしい我が家のレシピをご紹介しよう。

材料: 

生地:

  • 小麦粉 250g
  • 砂糖 90g
  • 室温に戻したバター 135g
  • 卵 1個
  • イースト菌 10g

フィリング:

  • カッテージチーズ(脂肪分5%) 400g
  • サワークリーム(脂肪分15%) 250g
  • 卵 1個
  • セモリナ粉(小麦粉) 50g
  • 砂糖 小さじ4
  • バニラエッセンス 適宜
  • 牛乳 少々

デコレーション:

  • ミカン

作り方:

1. すべての材料を計量し、ボウルなどに入れておく。

2. 小麦粉、砂糖、卵をボウルに入れ、泡立て器で混ぜ合わせる。小麦粉は少しずつ加え、均等に混ざるよう、バターと一緒に混ぜ合わせる。少量の冷水をふりかけ、生地を上から両手で押さえるようにして、まとめる。

3. 生地がなめらかでしなやかになったら、丸める。ラップで包み、冷蔵庫に入れ、最低1時間休ませる。生地に水分をなじませ、バターを固めて、グルテンを休ませるため。

4. 生地を休ませている間にフィリングを作る。カッテージチーズ、砂糖、バニラエッセンス、サワークリーム、卵、セモリナ粉をボウルに入れ、ブレンダーでよく混ぜる。カッテージチーズが乾燥している場合は、少量の牛乳を加える)。 

5. 冷蔵庫から生地を取り出し、作業台に少量の小麦粉をふり、その上に生地を置く。めん棒で生地を広げ、パイ皿に置く。フォークで生地に穴を開ける。 

6. 生地の上にフィリングを置き、均等に広げる。オーブンに入れ、180度で30分から35分焼く。オーブンの扉は開けないこと。庫内の温度が急激に下がり、焼くスピードが下がり、クリーミーなフィリングが生地に沈み込んだり、割れたりする。パイが焼けたら、取り出し、粗熱を取る。

7. パイにお好みでミカンを飾り付ける。

どうぞ召し上がれ!

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