サーロってなんだ?!そしてなぜロシア人はそんなにサーロが好きなのか?

Legion Media
 サーロ(肉の脂身)が体にいいか悪いかという論争は、サーロがどこで生まれたものかという論争と同じくらい長く続いている。しかし、サーロ好きの人々は、そんなことなどおかまいなしに、マスタードや西洋ワサビをつけてその味を楽しみ、ビャクシンとともに塩漬けにし、痛風で痛む場所にすり込んだりしている。

サーロは誰が考えた?

 サーロはウクライナの食べ物だという地元の言い伝えをもっともだとするステレオタイプがある。しかし、ロシア料理史研究家のパヴェル・シュトキンによれば、サーロはどこで初めて作られたとは言えないものだという。「サーロはロシア人もウクライナ人もその他のスラヴ人もいない、誰も覚えていない時代から作られていた」とシュトキンは書いている。「サーロはゴート人、ガリア人、フランク人も作っていた」もので、最初にサーロに関する記述が出てくるのは、古代ローマの文献だという。そこでは大理石で特別な容器を作り、そこに新鮮な肉の脂身に塩とスパイスを混ぜて置いておいた。

 スラヴの文献の中では、16世紀に書かれた生活規範集「ドモストロイ」にサーロに関する記述がある。「カーシャ(粥)を煮るのに、バターまたはサーロと一緒に蒸す」。しかもこの脂身は豚肉に限らず、樽で熱して溶かした牛肉の脂身であることもあった。このようなサーロは輸出されたものでもあり、また国内でもっとも一般的なものでもあった。ロシアでもっとも古い料理本、ワシリー・レフシン著の「ルースカヤ・ポヴァルニャ(ロシアの台所)」(1816年)にも牛肉のサーロが登場するほか、豚肉のサーロについては、「ハム・サーロ」、あるいは「シペク」という言葉が使われている。

サーロは何で作られているのか?

 サーロは、しっかりと餌を与えられた動物が、冬の前に体に溜め込む栄養分、あるいは硬い脂身である。産業的な規模では、豚、牛、羊、ヤギの脂身から作られる。豚の脂身は牛や羊の脂身に比べて、硬く、色が薄い。また豚の脂身は一番水分が少なく、また豚の頭数の増やし方はかなり早くに習得された。このような理由から、サーロといえば、豚の脂身を指すことが多いのである。

サーロの良いところ、悪いところ

 サーロの良い点は、きちんと食事をする時間がないときに、短い時間で空腹を満たすことができるというところである。100グラムあたり700~800キロカロリー(種類によって異なる)と高カロリーだが、食事療法専門家らは全粒粉パンとサーロ、野菜、ハーブで作るオープンサンドはまったく恐ろしいものではないとしている。健康な人間であれば、サーロを素早く吸収し、エネルギーの充満を感じることができる。ただし、問題はその摂取量である。

 健康な成人の1日の標準摂取量は10グラムから12グラム(1日50グラムまで)、1週間100グラムから150グラムである。この推奨された量を守らなければ、すぐに太る危険性はある。また塩漬けの際に使われる大量の塩が健康に害を及ぼす可能性はある。

 サーロは、お腹をいっぱいにしてくれる以外に何を与えてくれるのか?サーロは健康に良いとされるアラキドン酸を豊富に含んでいる。アラキドン酸は脳と心臓の働きを活性化し、コレステロール代謝を正常化してくれる。またサーロには“美容ビタミン”であるビタミンA、E、Dが含まれる。また、豚の脂身100グラムにはセレンの1日の摂取量の89%が含まれる。セレンは腫瘍が大きくなるのを予防するほか、男性の体にも非常に良い働きをし、またリンの1日の摂取量の53%も含まれている。サーロにはコレステロール値を高くする脂肪が含まれるが、それでもバターに比べると少なく、またサーロに含まれる油酸はコレステロールの塊がたまるのを防いでくれる。 

サーロの選び方 

 サーロは厚さ5㌢から6㌢のものを選ぶのがよい。豚の頭部から尾までの部分の塊が良いとされ、ピンク色または大理石色の筋が入ったものがよい。サーロは柔らかく、簡単に切れる。

 サーロには変なにおいがあってはならない。においのするサーロは雄豚の脂身である可能性があり、この嫌なにおいは絶対に消すことができない。冷凍の状態ではにおいを感じることができないので、冷凍サーロは買わないほうがよい。

食べ方

 サーロは塩漬けにしたり、焼いたり、燻製にしたり、溶かしたりして食べる。体に良いのは熱処理していないもので、そうした理由から塩漬けにされることが多いのである。

 塩漬けの方法は次のようなものだ。まず冷水で洗い、乾燥させ、いくつかの塊に切り、たっぷりと塩をかけ、ニンニク、ブラックペッパー、ローリエ、その他のスパイスを加える。塩をたっぷり纏わせたサーロを3時間から4時間室温に置いておき、ワックスペーパーで包んだ後、アルミホイルにくるみ、冷凍庫に入れる。塩漬けには1昼夜半あれば十分で、それ以降なら食べることができる。 

 もっとも一般的なのは、黒パンにサーロを乗せ、マスタードまたは西洋ワサビ、ピクルスまたはキノコを乗せるという食べ方。しかし、キャベツ、ラディッシュ、ビーツなどちょっと変わった野菜と合わせて食べることもできる。 

 サーロは伝統的にウォトカに合うとされているが、辛口の赤ワインともよく合う。ぜひお試しあれ。

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