ロシアから持ち帰るべき食べ物

ロシア料理
エカテリーナ・シネリシチコワ
 ロシア以外の国では手に入らないロシアの主要な「ヒット」商品をご紹介しよう。嬉しいことに、これらの食べ物は探し回る必要などなく、ロシアのスーパーに行けば簡単に手に入るものばかりである。

松ぼっくりのヴァレーニエ(ジャム) 

 ロシアには多くのベリーがあり、そのいくつかは名前も聞いたことがないものかもしれないが、もっとも“エキゾチック”なヴァレーニエと言えば、若い松ぼっくりで作られたものだろう。春にまだ青い松ぼっくりを拾い、慢性疲労や扁桃腺、風邪、睡眠不足などに効くものとして、普通は秋か冬に食べる。ヴァレーニエは大型チェーンのスーパーならほぼどこでも手に入る。スーパー「アズブカ・フクーサ」での1瓶の値段は298ルーブル(およそ500円)

イクラ、キャビア  

 もっとも人気のあるロシアの珍味の一つ。イクラもキャビアもヨーロッパなどに較べてもかなり安く買え(とくに極東で買った場合はより安い)、どこのスーパーでも買うことができる。しかし一つだけ注意点がある。イクラやキャビアは、国外に持ち出す量が厳しく制限されており、またキャビアについてはいくつもの書類を提示する必要がある(スタンプのある証明書、レシート、申告書、申告書の添付書類など)。持ち出しの制限はイクラが5キロ以下、キャビアはたった250グラムである。そしてもし書類がない場合、税関で「密輸」と見なされる。

 というわけで、もっとも簡単なのは、DutyFreeで買うことだろう。DutyFreeでは官僚主義的な規則が少ない。しかし忍耐強さに自信があるという方はぜひロシアのスーパーに行って、マネージャーを呼び、キャビアの書類を頼むとよい。 

 もう一つの方法はイクラとキャビアの専門店に行くこと。観光客に慣れているため、短時間で簡単に購入証明書と国外持ち出しのための書類を用意してくれる。

チョコレート 

 板チョコの「アリョンカ」はロシアの伝統的なチョコレート。「アリョンカ」専門店があり(店名も「アリョンカ」)、ロシアでもっとも有名なチョコレート「ミーシカ・コソラープィ(内またのミーシカ)」や 「マースカ(仮面)」、「ラーストチカ(つばめ)」、「ベーロチカ(小リス)」、「ゾロトイ・クリューチク(黄金の鍵)」、それにケシの実のブリットルなどが売られている。これらのお菓子は、旧ソ連諸国出身の人々にとって、「子ども時代の味」である。ロシアのチョコレートはどこのスーパーでも手に入る。スーパー「ピチョーロチカ」では79ルーブル(およそ130円)で売られている

ハチミツ  

 ハチミツは多くの国で食されているが、ロシアには特定の地域でしか採ることのできないユニークな種類のハチミツがある。たとえばバシキールで作られる菩提樹のハチミツ、アルタイ地方で作られる野の花のハチミツ、あるいはウラルの山岳地帯で作られるハチミツなどである。お店では普通のガラスの瓶詰めのものはもちろん、白樺などの樹皮で作られる絵のついたユニークな丸い箱に入っているものもある。

そばの実 

 ロシアでもっとも一般的な穀物の一つで、外国ではあまり知られておらず、緑の状態またはそば粉としてしか売られていない。しかしなんらかのきっかけで、そばの実を好きになったなら(これを好きになるには子どもの頃から、この味に慣れ親しむ必要があると言われている)、これを買い込む場所はロシアしかない。そばの実はまさにどこの食料品店でも買うことができる。

シーバックソーン 

 これは秋に収穫されるベリーで、フレッシュなシーバックソーンは10月の終わり頃に市場で手に入れることができる。ロシア、そして旧ソ連諸国ではとりわけビタミンAが豊富であることから重宝されている。

 しかし秋以外の季節にも、このやや苦みがある甘酸っぱいベリーは口にすることができる。モルス(飲料水)、シャーベット、ヴァレーニエ、またはお茶としてである。秋にロシアを訪れた場合は新鮮なベリーを買うことをお勧めするが、そうでない場合はモルスを買うとよい。スーパーマーケット「アズブカ・フクーサ」では172ルーブル(およそ280円)で手に入る。

トゥーラのプリャーニク(糖蜜菓子) 

 ロシアでもっとも人気のプリャーニク。トゥーラはもちろん、モスクワのスーパーなどどこでも売られている。かつてトゥーラのプリャーニクは試食のため、共産党中央委員会第一書記のニキータ・フルシチョフにも送られ、最高の味とのお墨付きをもらったほどのお菓子である。

 最近は中にスモモのジャムやコンデンスミルクが入っているものが多いが、お茶うけ用に小さいパッケージに入ったものもあれば、ギフト用に砂糖のコーティングで飾られた大きいサイズのものもある。

鹿肉 

 北方の鹿の肉はシベリアの珍味であり、ロシア国内でもグルメな友人へのプレゼントとして人気がある。環境に配慮して作られたソーセージ、チップス、スナック菓子、カルパッチョ、ストロガニナなど、北方の鹿からできたさまざまな食品がロシア全土で売られている。スーパーでもっとも売れているのはドライソーセージで、お値段は35グラムで300ルーブル(およそ500円)ほどである。

サーロ(脂身) 

 豚肉のサーロはロシアではどんな肉屋にも必ず置いてあるものだが、旧ソ連圏以外ではなかなかお目にかからないものである。ロシアではこれを燻製にしたり、炒めたり、料理に使ったり、塩漬けにしたり、黒パン「ボロジンスキー」に乗せて食べたりする。

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