(モスクワのロックンロール・バー&カフェのメニューより)
ロシア最古の飲み物といえばクワス。そしてもっとも有名な飲み物といえばウォッカ。この2つを合わせ、シナモンの香りを加えたものが“クワーシャ”。話し言葉に、「クワーシッチ」という動詞があり、それは「酔う」という意味があるのもうなづける。ちなみに正確を期すために記しておくと、カクテルに入っているウォッカの量は、クワスの量よりも少ない。
クワスはロシア食料品の店で手に入る。ウォッカとシナモンシロップはどこでも買える。この3つの材料をグラスに注げば出来上がり!
このカクテルの名前は、1918年から1922年の内戦で敗戦を喫し、国外に逃れた白衛軍にちなんで付けられたものである。西側で「white Russians」と呼ばれた。この“ホワイト・ルシアン“は女性のカクテルだとされた時代もあったが、1990年代に映画「ビッグ・リボウスキ」が公開されたあと、そのイメージは一変した。“ホワイト・ルシアン”はこの映画の主人公のお気に入りのカクテルだったためで、以降、世界のほぼすべてのバーで作られるようになった。ちなみに後にこのカクテルは、映画「キャット・ウーマン」でもスポットが当てられた。ヒロインがバーでこのカクテルを注文するのだが、「ウォッカとカルーア抜きで」(つまりストレートの生クリーム)と言うのである。というわけで、このカクテルは男性も女性も関係なく飲めるもので、家庭でも簡単に作れる。
グラスに氷を入れ、すべての材料を同量ずつ加え、スプーンでかき混ぜたら、完成!細かい注意点を述べるなら、生クリームは新鮮なものを使うこと。そしてグラスに入れる前に振っておくこと。こうしておくとちょうどよい濃度になる。
ウォッカとトマトジュースをベースにしたこのロングドリンクはロシアで考案されたものではないが、よりロシア人の魂に近い、キュウリを加えたバージョンをご紹介しよう。
切ったキュウリをグラスに入れたら、すりこぎで少しつぶす。グラスにウォッカ、トマトジュース、レモン汁を加え、お好みで塩コショウ、タバスコ小さじ1/4、マスタード少々を入れる。しっかり混ぜ、氷を加える。アクセントにピクルスを添えて。
(サンクトぺテルブルクのレストラン“クズニャ”のメニューより)
ジンにビーツのシロップを加えれば、もうボルシチ風味になる。しかし実際にはそう簡単ではない。
すべての材料をシェーカーに入れ、最初は氷を入れずにシェイクし、泡状にする。その後、シェーカーに氷を入れ、もう一度シェイクする。漉したものをグラスに注ぎ、氷は入れずに出す。カクテルクーペグラスに注ぐのが一番合う。
クロスグリのピュレー:ベリーと砂糖(シュガーシロップがあればその方がよい)をブレンダーにかけ(割合は3:1)、漉し器にかける。
ビーツのシロップ:ビーツの汁を弱火にかけ、3分の1の分量になるまで煮詰める。ビーツの汁と同量の砂糖を加え、完全に溶かし、冷ます。
(モスクワのガストロバー“ルースキー・パブ”のメニューより)
赤の広場にある聖ワシリー聖堂の丸屋根の形をしたメレンゲをトッピングしたベリーのカクテル。見た目、かなりインパクトがあるカクテル。
まずクランベリーの浸酒、コケモモのピュレー、クランベリーのモルス、レモン汁、フルクトースをシェイカー(またはしっかりと閉まる容器)に入れて、30秒以上シェイクする。卵白は砂糖を加えて5分から10分泡立てる。絞り袋に入れ、“丸屋根”の形に絞り出したものを120℃のオーブンに入れ、20分から40分乾燥させる。カクテルをグラスに注ぎ、その上に“赤の広場”の聖ワシリー聖堂の丸屋根を模したメレンゲを浮かべる。
(モスクワのレストラン“ウフヴァト”のメニューより)
農村、かまど、牛。そうした心温まるものを感じさせるハチミツの香りのカクテル。
材料をシェイカーに入れ、30秒以上しっかり混ぜる。冷やしたシャンパングラスに注ぎ、上にカカオパウダーまたはけずったチョコレートをかける。
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