外国人シェフがアレンジしたロシア料理:ジャン・シャンチェン(中国)

ロシア料理
マリア・スタンブラー
 レストラン「Kitaiskaya Gramota」のシェフに、モスクワの印象と自身がアレンジしたボルシチの作り方を聞いた。

 新シリーズ「外国人シェフがアレンジしたロシア料理」は、モスクワの優れた外国人シェフに、料理にまつわるさまざまな話を聞き、家庭でも作れる、独自のアレンジによるロシア料理のレシピを教えてもらうというコーナー。

  レストランKitaiskaya Gramotaは2014年2月にオープンしたが、本格的な広東料理メニューで、たちまち人気店となった。このレストランは流行りのフュージョン料理に走らず、アレンジなしの広東料理そのもので勝負している。ジャン・シャンチェンさんは開店当時から厨房の責任者を務める。

 

 ロシア・ビヨンド: まずは少し自己紹介をお願いします。

  ジャン: わたしは遼寧省の瀋陽で生まれました。中国で料理の修業をし、マリオットやシェラトンといったホテルで料理人になり、経験を積みました。

 

  ロシア・ビヨンド: どのようなきっかけでモスクワに来ることになったのですか?

  ジャン: 仕事のためです。2005年にモスクワに来て、いろんなレストランで働きましたが、それからSoho Roomsという有名なレストラン兼クラブで職を得ました。そこでレストラン経営者のアレクサンドル・ラパポルトと出会い、Kitaiskaya Gramotaのアイデアについて聞かされました。彼は長いこと料理長を探していたそうで、自らも中国に出かけて本物の広東料理を勉強し、インターンシップを修めたそうなのです。われわれは出会った後、長い時間をかけてレストランのメニューを考案しました。メニューを完成するのにとても時間がかかりましたが、その価値はあったと思っています。

 

  ロシア・ビヨンド: モスクワの生活は楽しいですか?

  ジャン: ええ、とっても楽しいですよ。仕事は気に入っているし、仕事仲間も素晴らしい。ロシアの冬だって大好きですよ。

 

  ロシア・ビヨンド: ロシア料理は好きですか?好きな料理はなんですか?

  ジャン: 陳腐な答えになってしまいますが、やはりボルシチが好きですね。中国ではビーツを使わないので、ビーツ自体が珍しくて。わたしの家族は帰省のたびにビーツを持って帰ってくれと頼むんですよ。あと中国では、普通チェリートマトやコルニションといった「ミニ」野菜も見かけないですね。また、ロシアの黒胡椒は中国のものとは違う。ロシアの黒胡椒はとても気に入っています。

 

中国風ボルシチ ジャン・シャンチェン

 材料:

 

 作り方:

  スペアリブ(またはその他の肉)をブイヨンで1時間半ほど煮て、肉を一口大に切る。野菜は食べやすい大きさに切り、油を敷いたフライパンで、酢、塩、トマトペースト、砂糖、その他のスパイスと一緒にしっかり炒める。フライパンに肉と煮汁を加え、30分ほど煮る。サワークリームの代わりにスプーン1杯か2杯マヨネーズを添えていただく。