ロシアの金準備は1,800トンを超え、世界6位の量を誇る。新聞コムソモリスカヤ・プラウダの記者が初めてロシア中央銀行の金の保管庫への入室を許されたことから、その膨大な金の保管場所を垣間見るチャンスを得ることとなった。
多くの人々は金の延べ棒がピラミッドのごとく積み上げられている(よく映画やテレビ番組で出てくるように)のを想像するかもしれないが、実際の光景はそれほど面白いものでもない。
金属製の枠で強化された格納容器が縦にきちんと並べられているだけである。しかしその保管庫の大きさはかなり印象的である。
一つの格納容器には20の金の延べ棒が入っていて、それぞれが封印されている。延べ棒は重そうには見えないが、1本12〜13キロもあるという。
延べ棒には1本ずつ品質保証印が付いていて、通常その純度は99.95%である。残りの0.05%は鉄やプラチナ、銀などの不純物だ。
また延べ棒の上には、生産者の名前、採掘場所、採掘年、重量などの重要な詳細データが記されている。
保管庫で働く職員の仕事は大変なものである。13キロもの延べ棒を一日中、運んでいるからである。
このほか、職員たちは金のコンディションを最高の状態に保つためのいくつかのルールを遵守しなければならない。
そんなルールの一つは、延べ棒の重量を計測する時には傷などのダメージを与えないよう特別な緑色の布の上で行うというもの。
従業員らは金を単に「金属」と呼ぶ。理由は簡単である。保管施設で一定の期間を過ごせば、金の特別な輝きにも慣れ、結果的にそれは職員にとってはただの「金属」になるからである。