ロシアは石油減産になぜ合意

ロイター通信
 ロシアの石油会社は日量30万バレルの減産を実施する。民間会社も減産に加わるよう、国は説得している。

 「石油輸出国機構(OPEC)」加盟国14ヶ国と非加盟国11ヶ国のあわせて25ヶ国は10日、オーストリア・ウィーンで閣僚会合を開いた。ロシアは原油価格を維持するため、加盟諸国に続く減産に合意した。アレクサンドル・ノヴァク連邦エネルギー相が、ロシアの経済紙「RBCデイリー」にこれを伝えた。

 ノヴァク・エネルギー相によれば、これほど多くの国が共同歩調をとったのは初めてだという。ロシア以外にも、カザフスタン、アゼルバイジャン、メキシコなどのOPEC非加盟国10ヶ国が参加を決めた。アメリカ系金融情報通信社「ブルームバーグ」によれば、OPEC加盟国と非加盟国の間での減産決定は15年ぶりだという。最も多く減産するのはロシアになる。

 OPEC加盟国は11月末、あわせて日量120万バレルを減産することで合意した。産油国はこのようにして、原油価格をあげようとしている。

 

合意の中身

 OPECに加盟していない11ヶ国が、OPECに続き、来年1月よりあわせて日量55万8000バレルの減産をすることを義務付けられた。ブルームバーグの情報によると、減産量はロシア30万バレル、メキシコ10万バレル、オマーン4万バレル、アゼルバイジャン3万5000バレルで、その他の国はさらに少なくなる。

 ノヴァク・エネルギー相は記者団に対し、ロシアの石油会社の減産量は10月の量になると説明した。今年10月の1日あたりの産油量は約1120万バレル。ソ連が崩壊した1991年以降では最大レベルである。ウィーンの会合では、減産合意の条件の履行を監視する委員会の設置も決まった。委員会の委員長国になるのは2ヶ国。加盟国からはクウェート、非加盟国からはロシア。

 中東諸国とは異なり、ロシアには国の産油モノポリーがあるわけではない。そのため、民間会社を含む一部石油会社には、減産を説得しなければならない。これがどのように行われるのかを、市場参加者は完全に理解するにいたっていない。特定企業のクォータについてはエネルギー省で協議される、とロシアの投資会社「フリーダム・ファイナンス」ロシア株式市場運用管理責任者のゲオルギー・ワシチェンコ氏は話す。

 減産メカニズムは任意しかありえない、とノヴァク・エネルギー相。ノヴァク・エネルギー相によれば、ロシアの会社は石油市場での価格を安定させるためであれば、減産する意向であるという。特に、ロシアの石油最大手「ルコイル」は、エネルギー省の立場を支持しており、ロシア側の義務の履行に加わる用意があることを表明していた。「タス通信」がこれを伝えている。

 

石油会社の損失

 ロシアの石油会社は現在の生産量から3%弱減らす必要があり、またOPEC非加盟国間の量の配分は市場でのロシアのシェアに関連していると、経済研究所「ロシア経済・国家行政アカデミー(RANHiGS)」のイワン・カピトノフ准教授は話す。減産はすべての会社で均等になるだろうが、国営天然ガス会社「ガスプロム」の子会社または最近民営化された「バシネフチ」などの産油量の増えている会社よりも、ルコイルなどの減っている会社の方が損をするという。

 ワシチェンコ氏によると、ルコイルは減産により、1500億ルーブル(約2700億円)逃す可能性がある。「原油価格の上昇は、ただ3%減産するよりも大きくなる生産損失をカバーするものでなければならない。1バレルあたり55ドル(約6325円)まで価格が上昇すると、企業の2016年第2四半期の損失を補うことになる」とワシチェンコ氏。いかなる公式な国家補償も予定されていないが、原油価格が上昇すれば経済的利益を得ることができる。より高い価格でより少ない量を販売する方が、その逆よりも収益性が高い、とカピトノフ准教授は説明する。