ロシア政府は今年初め、大規模な民営化を実施すると発表した。この枠組みの中で、2年で1兆ルーブル(約1兆7000億円)を受け取ることを見込んでいるという。2016年の計画には、保有している、石油企業「ロスネフチ」および「バシネフチ」、大手銀行「BTV」およびアルロサの株式の売却がある。
先月末には、最初の企業の民営化形式が定められた。アルロサの株式10.9%をモスクワ証券取引所で売り出す。経済紙「ヴェドモスチ」がこれを伝えている。
売り出しの時期は今のところ不明。先に、戦略的投資家への売却案が検討されていたが、アルロサが公の民営化を希望した。「証券取引所を通じて株式を売却した方が高い評価を得られるし、関心を持つ投資家の幅も広がる」と、石油サービス会社「ノヴァス・エネルギー・サービス」のチーフ・エコノミスト、マクシム・チェルニャエフ氏が、ロシアNOWに話した。ヴェドモスチ紙の取材に応じた関係筋によると、国はこの売却で500億ルーブル(約840億円)を受け取ることを見込んでいる。
近い将来、ロスネフチとバシネフチについても決まる予定。アレクセイ・ウリュカエフ連邦経済発展相の先の発表によれば、ロスネフチの株式19.5%が個別に売却される可能性がある。国はこれで6500億ルーブル(約1兆900億円)ほどの売却益を見込んでいる。
バシネフチは2014年に国営企業になったばかり。それまで、複合企業大手「システマ」とその子会社が、71.6%の株式を保有していた。「バシネフチの株式は過小評価されている。ここ3年のバシネフチの主要な財務指標を見ると、投資には魅力的だと結論付けることができる」とチェルニャエフ氏。アメリカ系金融情報通信社「ブルームバーグ」によると、バシネフチの時価総額は64億7000万ドル(約7050億円)。チェルニャエフ氏の考えでは、ロシアの資源企業の民営化に関心を持っているのは中国だけではない。「ヨーロッパおよびアメリカの投資家も、アルロサ、ロスネフチ、バシネフチの株式の取得案を検討していると思う」民営化の過程では、提携会社が参加する可能性が高いという。つまり、ヨーロッパの投資家が仲介者を通じて株式を取得するのだ。
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