ロイター通信撮影
ロシアはギリシャ国民の意思を尊重し、「ギリシャの経済的、社会的安定に最善の形で寄与する」ような解決策が講ぜられること、「債権者との必要な歩み寄りができるだけ早く実現する」ことを願っている、とペスコフ報道官は述べた。
「ギリシャとロシアには昔からの歴史的かつ非常に近しい関係、多方面の密接な連携がある。国民投票で発せられた声を尊重する。当然ながら、ギリシャのこれまでの状況、今の状況を注視しているが、重要なのは今後の状況」とペスコフ報道官。
クレムリン報道部によると、6日にプーチン大統領とチプラス首相の電話会談が行われた。国民投票の結果や、今後のロシアとギリシャの協力の問題について話し合ったという。プーチン大統領はまた、ギリシャ国民が待ちうける困難を乗り越えられるよう支援することを表明した。
ギリシャへの財政支援は?
ギリシャが債権者と合意できなかった場合、ロシアはギリシャに財政援助を行うことができるのか、との質問に、ペスコフ報道官は質問がギリシャに向けられるべきものだと話した。「セルゲイ・ラブロフ外相を含めて我々が何度も言っている通り、援助要請があるまでは、両国の対話でこのテーマがでてくることはない」
日曜日にギリシャで行われた国民投票では、投票者の61%以上が財政緊縮策に反対。賛成は38%だった。投票率は62.5%、約620万人が赴いた。
国民投票はチプラス政権が実施したもので、政権の立場が支持されれば、受け入れ可能な条件での債権者との早期合意を後押しすると主張していた。一方で、債権者は財政緊縮策が拒否されれば、ギリシャの欧州連合(EU)離脱に発展しかねないとして、国民投票を実施しないよう呼びかけていた。
2つのシナリオ
ロシア下院(国家会議)国際問題委員会のアレクセイ・プシコフ議員は、ギリシャが近い将来、EUから離脱する可能性は低いと考えている。国営テレビ局「ロシア24」の取材に、国民投票はEU離脱ではなく、債権者によって提示されている条件についての意思表明だと述べた。EU離脱問題は、しばらくしてから浮上する可能性はあるものの、今のところ、ギリシャの議題にあがっていない。ギリシャもEUも離脱には関心がないという。離脱は「ドミノ効果」を起こし、EU圏内だけでなく、EUのプロジェクト全体に悪い影響をおよぼす可能性がある。
プシコフ議員は以前、「タス通信」の取材に対し、ギリシャ問題には2つのシナリオがあると語っていた。1つ目のシナリオでは、ギリシャが「少しでも良い条件を引き出し、ヨーロッパが提案している協定を一部でも見直せるように」、EUおよび債権者との交渉を再開させる。 2つ目のシナリオでは、「EUが交渉を拒否する、あるいは交渉でいかなる譲歩もない、妥協しない姿勢をとり、ギリシャを政治危機に追いやって、チプラス政権を終わらせる」。プシコフ議員によると、ギリシャがEUに残るか否かは、このシナリオのどちらが実現するかによるという。
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