ユーリイ・スミチュク撮影/タス通信
秋田は日本海をはさんでロシア沿海地方の対岸にあたり、同協会はビジネス・文化など幅広い分野で対岸交流を仕掛ける方針を掲げている。
協会役員にはロシアとのビジネスや文化交流経験のある約20人が就任した。
このうち、NPO法人日本・ロシア協会(東京都港区)の理事も兼任する佐々木三知夫理事長ら3人が3月下旬にウラジオストクに渡航し、沿海地方の商工会議所などを訪問した。
現地では海産物業者や貿易ビジネスの関係者との商談も実施した。近く秋田県内で渡航報告会を開き、ロシアへの地元の理解を深める。
秋田はもともと、秋田市とウラジオストク市が姉妹都市提携を結び、秋田県と沿海地方政府も友好交流協定を締結するなど、極東ロシアとのつながりが深い地域だ。
発端は1980年代にさかのぼる。むつみ造園がウラジオストクの「魚雷公園」内に日本庭園を造ったのは1990年とまだソ連の時代だった。
最近では、東日本大震災の被災地支援のお礼として、佐竹敬久知事がプーチン大統領に秋田犬を贈り、その返礼として大統領からシベリア猫が届くといった交流が話題になったばかりだ。
ただ経済交流はまだこれからである。過去には99年から4年間、秋田港とロシアのポシェット港とを結ぶ定期コンテナ船が運航したほか、2012年には韓国・釜山港経由でウラジオ路線ができたが、どちらも貨物不足から運休となった。
近年は秋田商工会議所や県、各市などでつくる官民組織「秋田県環日本海交流推進協議会」を中心にコンテナ輸送実験などさまざまな取り組みを進めているところだ。
今回発足した秋田日ロ協会もロシアと県内事業者との接点を増やすことで交流の機運を盛り上げる。
協会の佐々木理事長は自身が代表を務める企業組合農藝舎(由利本荘市)でロシア産ハチミツの輸入販売を手がけている。
「首都圏から距離のある秋田にとって、将来の地域発展は対岸・ロシアとの交易にかかっている」(佐々木理事長)。
秋田発の対露交流熱が両国間にホットな話題を増やしそうだ。
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