トヨタがロシアの自動車生産能力を倍増

ユーリイ・スミチュク撮影/タス通信

ユーリイ・スミチュク撮影/タス通信

「日産」、「トヨタ」がロシアの自動車生産能力を相次いで倍増させている。市場の危機は工場のフル稼働達成を阻む可能性もある。

危機で自動車市場に打撃

 2~3年前であれば、生産能力引き上げの発表に誰も驚かなかっただろう。当時、ロシアにおける新車の需要は急速に伸びていたし、専門家も近い将来、ドイツの自動車市場を除き、ロシアの自動車市場はヨーロッパ最大になり得ると予測していた。しかしながら、昨年始まった危機は、見込みをひっくり返してしまった。ルーブル安は需要を急減させ、販売は下降を始めた。減少傾向は今年に入っても継続しており、1月の販売台数は昨年の同じ月と比べて24.4%減となった。

 トヨタは今年1月、ロシアにおける自動車販売ランキングで8位から6位に浮上した。だが、販売台数を以前と同じレベルに維持することはできず、14%減となった(欧州事業協会データ)。

 

ロシアでの組み立てと生産

 この時、ロシア市場におけるトヨタの主要モデル「カムリ」の販売は上昇し続けている。輸入品を含めて、昨年の販売は3.7%増となった。工場にはプレスと樹脂成形の新たな生産ラインが開設され、現地化は30%に達した。ロシア以外の関税同盟カザフスタンとベラルーシにも、この工場の製品の一部が出荷されている。

 「現地生産化は市場のシェア拡大に寄与し得るが、この時、為替相場にあまり左右されないような高い現地生産比率が必要となる。ロシアで価格が高騰しているのは輸入車、または部品の現地生産比率の低いロシア国内で組み立てられた車」と、ロシアの大手調査会社「自動車統計」の上級アナリストであるアザト・チメルハノフ氏は話す。

 

生産中止の可能性

 別の日系メーカーが実施したサンクトペテルブルク工場の生産能力拡大は、売上維持にはつながらなかった。日産は昨年12月、生産能力を年間10万台まで倍増させた。「工場は現在、同時に5モデルを生産することができる。現時点でティアナ、ムラーノ、パスファインダー、エクストレイル。2015年末にはサンクトペテルブルク工場でキャシュカイの生産が始まることをすでに発表している」と、日産のロマン・スコリキー広報担当はロシアNOWに説明した。しかしながら、日産の1月の販売台数は18%減。それでもロシアにおける自動車販売ランキングの4位は維持した。

 スコリキー広報担当によると、サンクトペテルブルク工場は2月から減産に切り替える。それに関連して生産中止の可能性も排除できないという。「人員削減、給与削減の予定はない。現在の経済状況はコストと人員の最適化を要するものであり、工場の作業員の募集停止を意味する」と話した。

 ロシアで新車販売台数の落ち込みがいつ底を迎えるかは今のところ不明。需要は急減しており、アナリストも生産者も近いうちに回復することには懐疑的である。ロシアの大手調査会社「自動車統計」の予測によると、2015年の乗用車市場の下落幅は40%強の135万台に達する可能性がある。