ロシアの国営原子力企業「ロスアトム」とイランは11日、イラン南西部の原子力発電所「ブシェール」にロシア製原子炉2基を建設する契約を結んだ。=Press Photo
契約ではブシェール原発への2基の原子炉建設と、最大4基までの増設の可能性を定めている。また、他の原発に原子炉4基を建設することについても合意したが、今のところはっきりとは決められていない。
契約額は明かされていないが、類似の海外プロジェクトは以前、100億ドル(約1兆円)規模と試算されていた。
「設備および核燃料の供給を含むイランでの原子炉建設プロジェクトは、ブシェール原発の最初の原子炉を建設した時と同様、国際原子力機関(IAEA)の保証のもと、核拡散防止規定を完全に順守する」とロスアトムは説明している。
原発用の核燃料は、8基が使用されている間、ロシア側で生産される。使用済み核燃料は再処理および保管のために、ロシアに返送される。イランでのロシア製原子炉建設の一環として、両国は経済的妥当性および使用される核燃料要素の現地生産の可能性を調査することを計画している。
エネルギー問題研究所のブラト・ニグマトゥッリン所長はこう話す。「海外案件としては原子力分野で最大の契約。イランにはガスと石油があり、したがってロシアの設備を購入できる資金力もある。この契約によってロシアの原発建設能力を活かせる。イランは欧米の経済制裁を恐れているため、基本的な設備をすべてロシアから購入する」
イランはこれで自国のエネルギー政策を多様化できるという。ロシア科学アカデミー東洋学研究所のウラジーミル・サジン研究員はこう話す。「イラン革命の時まで原子力エネルギーは優先事項で、原子炉20基が建設されると考えられていた」
イランは原子力エネルギーの能力を拡大させることで、より多くの原油とガスを輸出することができるようになり、国家予算を増やせるという。また、新たな雇用の場も生まれる。
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