自動車産業への最初の支援

タス通信

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ロシア政府が自動車産業支援に乗り出した。国内最大手のトラックメーカーに続き、他のメーカーも対象となる可能性がある。

 ロシア最大手のトラックメーカー「カマズ」は、自動車市場の落ち込みを背景として国からの支援を受けた、初の自動車メーカーとなった。政府は350億ルーブル(約1050億円)ほどを国家保証として、カマズの投資プログラムに融資する。 

 811日に署名の行われた政府指令によると、返済期限15年の利付非兌換債券である。カマズが自力で義務を履行できない場合、その額面価格での補償になる。

 カマズの取締役会は5月末に債券の割り当てを承認し、今後3年で15年債券の発行9回を割り当てることを計画している。  


ダイムラーとの協議が停止


昨年までは、ドイツのダイムラー社(欧州復興開発銀行とカマズの株式15%保有)が出資比率を増やし、カマズの投資プログラム実現の主要なパートナーになると考えられていた。投資家のコンソーシアムが保有する株式23.5%が取得される予定だった。しかしながら昨年3月、「ロステフノロギー」のセルゲイ・チェメゾフ社長は、ダイムラーとの協議が停止したことを伝えた。自動車市場の関係筋は当時、国家支援に重きを置いた可能性について話していた。 

国がカマズの戦略を評価 

 2020年までのカマズの投資プログラム701億ルーブル(約2103億円)は、昨年開始した。この時、カマズに投じる用意のあった額は270億ルーブル(約810億円)ほど。プログラムには市場への新型トラックの投入、生産の刷新、事業効率の向上などが含まれている。輸出を含めた2015年の予想販売台数は6万台、昨年の販売台数は43800台だった。

 カマズは自動車市場の落ち込みを背景として国からの支援を受けた、国内初の自動車メーカーとなった。ロシアのコンサルティング会社「EUロシア・パートナーズ」の経営パートナーであるイワン・ボンチェフ氏は、カマズが他のメーカーよりも「戦略的」であることが支援を受けられた理由だと考える。

 国家保証が債券市場におけるカマズの資金調達額を減らすと考えるのは、ロシアの仲介業会社「FBS」分析部のエリザヴェータ・ベルギナ部長。新工場の建設、全技術サイクルの刷新などを定めた長期大型プロジェクトを、カマズがすでに作成していることが、支援の理由だという。「このようなプロジェクトはロシアの産業にとって戦略的に重要で、現在の発展コンセプトにぴったりと合っている」

 

自動車市場の落ち込みのなかで 

 市場の落ち込みと販売台数の減少という状況下で、国はナベレジヌィエ・チェルヌィ市におけるカマズの存在意義を考えながら、社会問題や自動車分野の主要な企業での人員削減を回避したかったのかもしれない。カマズの株式の49.9%を、ロシアの国営加工・生産・輸出企業「ロステフノロギー」が保有していたことも関係している。プーチン大統領は7月、同じくロステフノロギーが出資している自動車メーカー「アフトヴァス」への支援も約束していた。現在は国家自動車廃車プログラムの復活や、作業車の使用期限の制限など、自動車産業全体の支援策が検討されている。

 「現状は確かに厳しい。乗用車市場、特にトラック市場は、事業状況の非常に正確な指標である。そのため、さまざまな方向からこの市場を刺激することについて我々は考えて行く」と、メドベージェフ首相は述べた。

 

*以下の記事を参照

コメルサント紙

RBCデイリー紙