AFP/East News撮影
三菱自動車の専属銀行である「MSバンク・ルス」は、ロシアのミツビシ・モータース・ファイナンスの小売信用プログラムの主要な参加者となる。ミツビシ・モータース・ファイナンスは2010年から活動しており、三菱の自動車を購入する人の融資や保険の際のコストを抑えることを目的としている。三菱自動車は、複数の金融機関と提携してこのプログラムを実施していたが、これが独自の銀行開設の決定につながった。
「専属銀行があれば、現在の販売だけでなく、未来の販売についてもちゃんと話せる。専属銀行の利益とは、銀行への忠誠をより重視する他の銀行と異なり、具体的な自動車ブランドの販売の定着であるため。三菱ブランドを変わらずに愛していただくことがMSバンク・ルスの課題の一つで、それは固定客のための特別なプログラムによって実現される」とMSバンク・ルスの関係者は説明した。欧米にはすでにこのような実績があり、専属銀行を通した場合、自動車ブランドの固定客となる人は、通さずに現金などで購入した場合に比べて最大2倍になるという。
縮小する市場にあって売り上げ増
三菱自動車は、今年ロシアで販売数を増やした数少ないメーカーのひとつ。上半期の売り上げは昨年の同じ時期と比べて2%増えた。自動車市場で販売急減が起こっている中、この数字は悪くない。市場全体では、普通乗用車、小型商用車の新車の販売台数が今年1月から6月にかけて7.6%減少(123万台まで)。6月単月の販売減少は17.3%を記録した。
三菱自動車の販売は好調だったが、残念ながら、ロシアの販売台数上位10位には入ることができなかった。それでも昨年の13位から11位に浮上したことは大きい。この浮上には、ドイツのオペルの-15%、アメリカのフォードの-39%も寄与した。市場占有率ランキングでは3.1%で8位となっている。昨年は2.8%。
「ロシアの自動車市場は現在、成長困難な時期にある。融資は販売の維持において大きな役割を果たす。購入者は将来について不安を感じているため、あまり融資を受けたがらないという状況もあるが。当社の課題は借りるお客様にとって、最大限に快適な自動車購入条件を整えること」とMSバンク・ルスの関係者。
ただし、ロシアの融資市場の専門家の誰もが、このような刺激策を楽観視しているわけではない。ロシアの金融機関「ロコ・バンク」のイリーナ・グリゴリエワ上級副社長は、特別な自動車ローンを複数の銀行が提供していたことに触れながら、こう話した。「自動車販売台数が急増するわけではない。顧客が何か特別な条件を期待しているからというわけではなく、ルーブルが安くなり、ロシア経済が鈍化していることが主な要因」
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