モスクワに自動販売キオスク

ロマン・キセレフ

ロマン・キセレフ

モスクワ市政府はすでに4年、通りでの商売の状況を変えようとしている。新たに導入されることが決まったのは自動販売キオスク。新しいニッチだ。モスクワ市には今のところ、屋外の自動販売機が2台しかないが、試験プロジェクトを行っている人々は、利益率に自信をもつ。

自動販売キオスク 

 モスクワ市中心部のプーシキン広場に7月、初のロボット売店が登場した。店員の窓口の代わりにあるのは画面。アニメの目が客を見つめる。店の軒先には大きな文字で「すべて自分で」と書かれている。2つのショーウィンドーの中には、水やチョコレートから、ヘッドフォンや靴ブラシまで、200種類の商品が陳列されている。 

 この自動販売キオスクの営業期間は1週間。実験的な試みだった。 

 モスクワ市の行政は2010年、無秩序に並ぶ従来型のキオスクや露店の撤去活動を積極的に開始。2011年にはモスクワ市建築・都市計画委員会が、統一露店設置計画を作成し、22000店から1万店まで露店を減らした。2012年、モスクワ市政府は自動販売機の展開を計画し、屋外販売の現代的、未来的コンセプトを作成した。数件間で数万店の自動販売キオスクを設置する予定。具体的には、通り、公園に26000台、公共交通機関の乗り場、地下鉄、地下通路に26000台、外庭に1万台、またスーパーやショッピングモールの近くにも設置する。

 

まずは試験プロジェクト 

 屋外での販売ロボット化については、まだ規定書類がない。

 「すべて自分で」は、自動販売機ビジネスに着手した唯一の会社。この試験プロジェクトの主導者は、販売・カフェ自動販売機製造の「EPS」企業グループを率いているアレクサンドル・ゾロタリョフ氏。

2016年までに96駅を“自販化”

モスクワ市の行政は、地下鉄のロビーや地下通路などの商売の現代化に35億ルーブル(約105億円)を投じる。設備替えされる駅は96駅。プロジェクトの期間は2016年まで。自動販売機、現金自動預け払い機(ATM)、サービス支払い用ターミナルなどにゾーン化される。

 自動販売キオスクはモスクワ州で組み立てられている。市場関係者の試算では、1台あたり約400万円。近い将来、複数のキオスクが設置されるが、こちらも試験プロジェクトで、営業は一時的だ。「人々が自動販売キオスクに不安を感じないか、しかるべき反応が得られるかを調べるのが課題。1200300回の購入があれば、不安を感じていないということになる」とゾロタリョフ氏。

 「すべて自分で」のキオスク1台の回収期間は1年半から2年ほどと計算している(1200個ほど販売できた場合)。営業期間(寿命)は15年。

 ロシアの大手自動販売機会社「ユヴェンコ」の取締役会会長で、ロシア販売自動化協会(NAAT)会長を務めるボリス・ベロツェルコフスキー氏は、自動販売キオスクが屋外販売で主流となってくるのは5年以上先の話だと考える。今回プーシキン広場に設置されたようなキオスクは、自動販売機会社の多くにとって高額すぎるという。「EPS」のカタログでもっとも高い屋内用自動販売機は、1345000ルーブル(約1035000円)。

 ロシアの小売に占める自動販売機の割合は低い。世界では、5%、一部製品群では10%に達しているケースもある。

日本の「ダイドードリンコ株式会社」が進出

日本の「ダイドードリンコ株式会社」は今年、ロシア市場に進出。モスクワの3駅の地下通路に自動販売機を13台設置した。販売されているのはコーヒー、紅茶、炭酸飲料、ジュース、果肉入りジュースなどのホット&コールド・ドリンク約20点。ダイドーは今後も地下通路、地下鉄駅のロビー、鉄道駅、公共交通機関の停留所、公園などに設置していく。年末までに500台、2018年までに1万台まで増やす予定。

 NAATのデータによると、ロシアの自動販売機市場の規模は220億ルーブル(約660億円)ほど。自動販売機の数は139000台で、ほとんどが屋内に設置されている。海外と同様、飲み物と軽食だけでなく、コンタクト・レンズ、家畜用飼料、花、アイフォン・ケースなども販売している。

  ロシアの大手自動販売機会社5社「ユヴェンコ」、「シバ・ベンディング」、「コム・パス」、「アソルティ」、「ヴェンデクス」で、市場の約3分の1を占有している。他の会社は主に中小企業で、今のところは屋内販売ばかりだ。市場の参入者は、自動販売機への投資額が以前は2050万ルーブル(約60150万円)だったのが、より質の高い自動販売機が登場した近年、15万ルーブル(約45万円)にさがっていると話す。自動販売機の売上高は、ある大手企業の計算で、月平均2040万円。運営コストは売上高の約60%、レンタル費用は510%。平均回収期間は1年から1年半。

 

記事全文(露語)

 

自動販売機普及率 

EU、自動販売機450万台、120人に1

日本、自動販売機600万台、23人に1

アメリカ、自動販売機700万台、20人に1

パリ、人口250万人に自動販売機12万台

ニューヨーク、人口800万人に自動販売機20万台

東京、人口1300万人に自動販売機50万台