Lori/Legion Media撮影
同省は、独占ガス企業「ガスプロム」や鉄道会社「RZD(ロシア鉄道)」を含む国営企業に対し、中小ビジネスの参加に関するパートナー・プログラムの作成を委任した。同省の関係者の話では、ロシアの「子会社」を考慮しても国家発注の市場に占める外国企業の割合はわずか1,5~2%にすぎない。
ハイテク分野では外国企業に大きく依存
しかし、供給の具体的セグメントにおいては外国勢が優っており、「たとえば、医療をはじめとするハイテク分野では外国企業の割合が70%を超え、石油ガス・プラントではその率は50%を上回る」と専門家は指摘する。仮に国営企業が新たな条件で活動を開始すれば、その割合はさらに最大3%増加しうる、つまり、外国の中小企業の受注総額は8億4000万ドルに達しうる。
ビジネス組織「オポーラ・ロシーイ(ロシアの支柱)」のドミトリー・パンギン理事の話では、連邦法によれば、国家のニーズのための購入全体の15%までは中小企業が保障しなくてはならないが、国家購入機関協会のセルゲイ・ガベストロ会長は、実際にはそうしたルールは守られていないとし、「ジェラヴァーヤ・ロシーヤ(実業のロシア)」のニコライ・オスタルコフ副会長は、「ロシアの中小ビジネスは、鉄骨構造、建築材料、プラスティック製品、家具や食品などを国営企業に供給している」と述べているが、これは、中小企業向けの本格的なクレジット・リソースが不十分であることにも起因しており、ロシア銀行の資料によれば、中小ビジネスのクレジットの増加率は2012年には29%であったのに対して2013年には15%に減少している。
融資を受けにくい中小企業
パンギン氏によれば、外国企業は、ロシアにおいて、その特殊な性質のためにロシア国内のメーカーから購入できない商品の入札に参加しているが、それは、主として、IBM、プロクター・アンド・ギャンブル、HP(ヒューレット・パッカード)、シスコ、アウディAGといった大企業だ。通常、これらの会社は、ロシアにおける入札のために子会社を設立しており、たとえば、ロシア市場で販売されるプロクター・アンド・ギャンブル社の製品の約50%は「プロクター・アンド・ギャンブル・ノヴォモスコフスク」によって生産されている。また、ドイツの総合福祉機器メーカーであるオットーボックのロシアの子会社は、2014年5月、またしても国家受注の枠内で唯一の身障者用車椅子の納入業者となり、やはりドイツのペイバックグループは、オンライン・マーケット「ウトコノース(かものはし)」にリテイリング・テクノロジーを提供している。
フランスの会社も、ロシア市場でさかんに活動しており、たとえば、ジェルミ技術は、ロシアのルメクスと共同で医療用消毒器を、セラヴァーは、インテルメドと共同で整形用インプラントを、それぞれ生産している。また、アメリカのマッキンゼー・アンド・カンパニーは、2013年、モスクワの地下鉄のイメージアップに関する2億2700万ルーブル(660万ドル)の契約をものにし、地下鉄の発展戦略や新しいロゴタイプや車両全体のデザインを考案している。
経済発展省の関係者の話では、フランスのプジョーやルノーやドイツのフォルクスワーゲンといった自動車メーカーをはじめとするロシア市場で活動する一部の外国のコンツェルンは、地元の中小企業と下請契約を結んでおり、ロシア・ドイツ通商代表部PR本部のイエンス・ビョルマン副議長は、「ドイツの企業は、自動車製造、化学および食品工業、農業セクター、公益事業、建設といった部門で、国家入札に積極的に参加している」と語っている。
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