沿海地方に漁業集積

ウラジオストクで4月、「漁業集積」のコンセプトが発表される=ロシア通信撮影

ウラジオストクで4月、「漁業集積」のコンセプトが発表される=ロシア通信撮影

ウラジオストクで4月、「漁業集積」のコンセプトが発表される。これは冷蔵設備、最新式の港や輸送のインフラを含む施設のことである。

 漁業集積は、ウラジーミル・ミクルシェフスキー沿海地方知事お気に入りの構想のひとつ。コンセプト開発契約は1月、沿海地方投資局のアンドレイ・アクショノフ局長、野村総合研究所モスクワ支店の岩田朗支店長によって署名が行われた。課題は極めて野心的で、沿海地方が韓国の釜山や中国の大連と競争する。漁業集積はウラジオストク市近くのハサン地区か、シュコトヴォ地区に建設される予定。極東で現在創設計画が進められている、「率先発展領域」の一ヶ所とつながる可能性もある。

 

「釜山や大連と競争可能なプラットフォームを」 

 セルゲイ・シドレンコ沿海地方副知事はこう考える。「この分野では輸出の割合が増えており、現状には不安がある。外国に良い製品が流れることで国内市場に製品があまり残らず、人工サーモンなどの、質にバラツキのある輸入製品ばかりになってしまう。この流れを変えるようなインフラの整備が必要。漁業者は自分たちの製品を輸出することを好み、不況やルーブル安によって国の外貨準備高を拡大させている。だが韓国や中国ではなく、ロシアに付加価値を残しながら、高付加価値製品を販売しなければならない。集積はただ水産物を保管、販売するだけでなく、沿海地方での加工を可能にし、国内外の市場に供給するような場所にしなければならない。課題は釜山や大連と競争可能な、優れた世界的なプラットフォームを創設すること。そうしなければ何も変わらない。釜山に流れていた魚がそのまま流れ続けるだけ」

 アレクサンドル・ペレドニ沿海地方漁業部長によると、集積のコンセプトは4月に発表され、その際に具体的な建設場所が示されるという。「その後実現可能性調査に移り、国家・民間協力構想を作成し、その後投資家に提案する。漁業集積の予算の割合は25%で、残り75%は投資でまなかわれる。つまりこのプロジェクトは主にビジネス。集積は漁獲会社にとって魅力的なものでなければならず、冷蔵設備を使用し、製品を積みおろしし、このプラットフォームで取引することが有利でなければならない」

 

漁業者は慎重 

 沿海地方の漁業者は集積案を支持しているものの、役人ほど楽観視はしていない。「プレオブラジェンスカヤ・トロール船団基地」取締役会のセルゲイ・サクシン議長はこう話す。「現実を直視してみようじゃないか。課題を実施するには資金が足りない。高い関税、物流・・・加工でも国家の資金的支援でも中国と競争するのは難しい」。経済学博士のアレクサンドル・ラトキン氏はこう話す。「国なしで解決できない最初の問題は、水生生物資源割り当てのメカニズムの完成。次の問題は、マクロ経済的な、船団の刷新。漁業船団の物理的な摩耗は50~60%」

 深加工については、水産物は木材とは異なり、必ずしも正しいとは限らない。「深加工製品の魚粉なんて誰もほしがらない。韓国人にスケトウダラ丸ごとじゃなくて、”すり身”を食べてもらえないか?と言わなきゃならない」とラトキン博士。「韓国人にとっての新鮮な小さなスケトウダラは、アメリカ人にとっての感謝祭の七面鳥のようなもの。漁業分野の加工品輸出は気をつけなければならない」と沿海州漁業会社協会のゲオルギー・マルトィノフ会長は話す。