露通商代表部の改革が進行中

ロシアのアレクセイ・リハチョフ経済発展次官=タス通信撮影

ロシアのアレクセイ・リハチョフ経済発展次官=タス通信撮影

ロシアは、通商代表部のシステムを改革しつつあり、欧州の通商代表部の数を削減する可能性がある。通商代表部の活動の評価は、具体的な経済プロジェクトの成否にかかってくる。

 経済がイデオロギーに縛られていたロシアの対外通商面の社会主義時代は、終りを告げつつあり、ロシア指導部は、通商代表部のシステムを抜本的に見直しはじめている。今後は、ロシアの実業界および地域の利益を国外において広げることがその主な任務となる。

 ロシアのアレクセイ・リハチョフ経済発展次官は、昨年末に行われた小規模な記者会見で、主たる変化について語り、「通商代表部の新しい姿」と名づけられたプロジェクトを最も重要な省内プロジェクトと位置づけた。

 リハチョフ氏によると、12月1日、その実現の第一段階の成果に関する報告が政府に対して行われた。特別のワーキンググループが承認され、構想を所轄省庁へ委託する作業に着手している。また、投資オンブズマンを兼務するイーゴリ・シュワロフ第一副首相が率いる経済統合小委員会の検討に付すため、準備中だ。

 リハチョフ氏はこう語る。「私たちは、報告のみならず小委員会での検討によって第一段階を締めくくり、第二段階では作業のクオリティーをさらに高めたいと考えています」

 

新たな原則 

もっと読む:

2014年の経済予測

 改革の第一部の正式な成果となったのは、通商代表部のプロジェクト活動への移行だ。

 第一に、ロシア連邦のビジネス、地域、ビジネス協会とのしかるべき協定が締結された。2013年末の時点で、国営企業のロスアトム、ロシテクノロジー、アフトワズ、カマズ、ロシア鉄道、インテル、ロシアヘリコプター、メチェル、統合航空機製作会社といったロシアの大手企業50社との協定を含む104の協定が結ばれた。また、ロシア連邦構成主体、すなわち、対外経済活動の発展を目指す事実上すべての地域との44の協定、および、企業家協会との10の協定が結ばれた。

 第二に、経済発展省、通商代表部、会社もしくは地域という三者が参加する通商代表部のプロジェクトのパスポートが導入された。ここにおいては、通商代表部は、輸出入、相手国における特定の企業の創出またはロシアへの投資の誘致に関し、具体的な義務を負っている。さらに、リハチョフ氏によれば、会社は、あれこれのプロジェクトの実現についての通商代表部に対する評価を行い、トップの省が、それを精査する。リハチョフ氏によれば、現在、51の国で241のそうしたプロジェクトが実現されつつある。「最も低い評価でも、サポートされるプロジェクトの額は、およそ250億ドルにのぼります」

 プロジェクトの枠内では、また、年間ビジネスミッション・プログラムが変更され、それらは具体的成果を優先すべく「研磨され」、通商代表部の参加者たちにしかるべき活動規則が定められ、情報活動が修正された。そのほか、職員の再認証が実施され、全部で180人の通商代表部の職員が、技能の向上をはかる研修に参加し、対外通商を専門とする大学に特別の学生グループが設けられた。

 

新たな地図 

 とはいえ、通商代表部のシステムの改革は、これで終わりではない。経済発展省は、通商代表部の地理的構成の最適化に関する提案を行った。昨年、南アフリカ共和国に通商代表部が開設され、キューバにも開設される見通しだ。

 リハチョフ氏は、その他の通商代表部については、経済発展省は東南アジアおよび中南米ならびにアフリカの一部の国に通商代表部を開設するよう提案した、と述べるにとどまった。

 しかし、改革の最も重要なポイントとなるのは、欧州における通商代表部のシステムの活動の最適化だ。現在、EUは、ロシアの最大の貿易パートナーとなっており、ロシアの貿易に占めるその割合はほぼ50%だが、これと並行して、アジアとの協力も急速に拡大しつつある。ロシア経済発展省は、「旧世界」の各地域における通商代表部の創設および拡大を提案する考えであり、リハチョフ氏はこう述べる。

 「この問題は、さらに協議する必要がありますが、私たちは、通商代表部の原則を国から地域へ移し、通商代表部というツールばかりでなく輸出のサポートおよび博覧会や見本市の開催に関連したツールも導入するという非常に意欲的な構想を温めています」

 2013年は経済成長が若干鈍ったものの、ロシアの貿易は、さかんに発展し続けている。最終的なデータはまだないが、リハチョフ氏は、去年の貿易高は1兆ドルを上回るものとみている。とくに際立つのは、2013年に2000億ドルを越えたサービス分野の成長であり、物品の貿易は、ほぼ横ばいのおよそ8480億ドルにとどまった。また、リハチョフ氏によれば、2013年には、ひじょうに興味深い傾向が現われたという。原料の輸出が減る一方、ハイテク製品の輸出は増え、輸出の伸び率は、機械類が4%、ハイテク製品が14%、イノベーション製品が4,2%だった。