タス通信撮影
上昇率も欧州4位
モスクワで9月にもっとも高額だった物件は、1平方メートルあたり2万3000ドル(約230万円)以上で、昨年の同じ月と比べて1%上昇した。
「モスクワの高級不動産価格の伸びはわずかだが、12ヶ月ぶりの上昇で、今後しばらくはこの傾向が続くと予測されている」とナイト・フランク高級不動産部のエレーナ・ユルゲネワ氏。
だがランキング入りしたヨーロッパの都市の中で、モスクワの上昇率は4位。1位は昨年9月と比べて7%上昇したロンドン、次に6.6%のサンクトペテルブルク、そして3.2%のモナコだ。
価格上昇が著しいのは、アジア太平洋地域と中東地域の大都市で、1年で平均17%も伸びている。
行政の高値容認論
役人の間で最近、モスクワで手頃な価格の不動産を建設していく必要があるか否かについて、議論が起こっていた。マラト・フスヌリン・モスクワ副市長(都市計画・建設担当)は10月初め、そのような不動産の建設を許可すべきでないとの意見を明らかにした。「手頃な価格の住宅建設案は、残念ながら、モスクワでは実現不可能。戦略的に許されないし、仮にそれを望んだとしても、物理的に不可能だ」
このようなことを実行すると、まずモスクワの不動産価格に影響し、損失を生むという。「手頃な価格の不動産とは、1平方メートルあたり2000~3000ドル(約20~30万円)。1200万人のモスクワっ子が、自分の所有する不動産の価値の下落を容認できるだろうか」。さらに、モスクワの人口増と、出稼ぎや移民の流入を制限する要因になっているという。「モスクワのインフラはこれ以上の人口を支えられない」とフスヌリン副市長。
プロホロフ氏:「市の経済にブレーキ」
ロシアの富豪で、「市民プラットフォーム」党の党首であるミハイル・プロホロフ氏は、フスヌリン副市長の意見は正しくないと考える。
「このようなモスクワの不動産は、モスクワの若者にとって、手の届かないものになっている。これは街の経済にブレーキをかけるし、住宅市場自体の発展を妨げる。モスクワの不動産の高値は、フスヌリン副市長が言うような、健全な経済の印などではない」
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