モスクワに4ヶ所目の空港

ラメンスコエ空港=タス通信撮影

ラメンスコエ空港=タス通信撮影

ラメンスコエ空港が、新たな国際空港に変わろうとしている。ジュコフスキー空港とも呼ばれるこの試験空港は、航空ショー「国際航空宇宙サロン(MAKS)」で有名。投資家の公募はすでに始まっている。2019年末までに旅客空港の機能が整い、年間1000万人にサービスを行う予定。

 潜在的な投資家には、総額70億ルーブル(約210億円)を投資する用意がなければならない。公募しているのは、国営ハイテク工業製品開発・生産・輸出企業「ロステク」の子会社、輸送・展示合同体「ロシア」。

 ラメンスコエ空港は、1941年に開設された試験空港。あらゆる種類の飛行機を受け入れることが可能で、離陸重量の制限もない。主な特徴は、ヨーロッパ最長となる5402メートルの滑走路。

 第二次世界大戦中は、長距離爆撃・攻撃航空隊の飛行機が駐機していた。またソ連や現代のロシアの飛行機の多くの試験が、ここで行われてきた。ラメンスコエ空港の無線呼出符号は「ゴルドィイ(誇り高い)」。

 ここには現在、ロシア連邦非常事態省、飛行機メーカー、ロシア連邦内務省、ロシア連邦保安庁の飛行機が駐機している。試験飛行以外にも、国際貨物空港として民間機の使用がある。今後は試験航空、国家航空、民間航空の共同拠点空港になる。

 計画にはスピード感がある。2015年までには、年間受け入れ能力40万人の格安航空会社(LCC)用国際旅客ターミナルを含む、「多機能施設」が建設される。ターミナルの受け入れ能力はその後、年間150万人まで拡大。2017年第2四半期までに、第二旅客ターミナルと貨物ターミナルも開設される予定。2019年末までに年間で旅客約1000万人、貨物2万5000トンを受け入れられるようになる。

 投資家への要件はなかなか厳しい。25%以上のその株式が証券取引所で取り引きされなければならず、空港インフラ建設の実績がなければならない。また、「定期的な旅客・貨物輸送を行う他の航空会社、あるいは航空機メーカー」の関連会社ではあってはならない。さらに、地上旅客サービスや外国製飛行機のメンテナンスなど、異なる国際的な認証書を持っていなければならない。

 「ロシア」は投資家と合弁企業を設立し、その株式の25%+1株以上を保有する。空港の施設と土地は、49年の賃貸借契約で合弁企業に渡る。

 このプロジェクトにはすでに、ロシアの大手民間空港ホールディング全3社が関心を示している。

 独立専門家であるアンドレイ・クラマレンコ氏は、「ロシア」が試算しているラメンスコエ空港の旅客流動と離着陸数の相関関係から、ワイドボディ機の話だと考える。1機あたり180~330人の計画になっている。LCC機ではなく、チャーター機の利用を見込んでいる可能性もあるという。このような厳しい要件には、外国の空港運営会社しか当てはまらないが、このプロジェクトに世界の大手企業がどれだけ関心を持つかが問題だという。

 

記事全文(露語)

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