とうもろこし栽培を強化へ

タス通信撮影

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ロシア連邦農業省は、「畜産、酪農の生産性を高める」ために、とうもろこしの栽培を増やすよう推奨している。

 ロシアのニコライ・フョードロフ農相は最近、穀物の収穫量を増やすために、とうもろこしが必要だと発表した。これはソ連のニキータ・フルシチョフ第一書記の時代をほうふつとさせるが、正にそれを参考にしている。フルシチョフは1950年代末から1960年代初めにかけて、とうもろこしを導入したが、その結果パンが不足し、1960年に第二次世界大戦後初となる穀物輸入を余儀なくされた。それ以来、「平原の女王」(ソ連時代はとうもろこしをこう呼んでいた)の栽培面積を拡大する提案には、あまり良いイメージがない。

 だが今回の提案は妥当だ。ロシアは冬穀物の播種(はしゅ)を減らしたことから、来年の穀物の収穫量が400~1100万トン減る可能性があるが、家畜の飼料には現在、飼料用として生産された穀物ではなく、食料用の穀物が使われている。そのため、飼料用のとうもろこしの生産を増やそうとしているのだ。

 

とうもろこしのメリットとデメリット

 だがとうもろこしをあまり飼料に使いたくないという畜産業者もいる。農工業ホールディング「タリン」養豚本部のエヴゲニヤ・トルストィフ副本部長は、同社が豚の飼料用にとうもろこしを栽培していないと話す。

 「配合飼料用の材料を完全に自社栽培しているが、とうもろこしは使わない。我がモルドヴィア共和国ではあまりとうもろこしがよく育たないのに加えて、とうもろこしは毒素をためる可能性があるため、飼料のレシピに含めるのは危険かもしれない」。

 それでも、とうもろこし栽培に適した環境の地域にとって、農業省の提案は合理的であると話すのは、食品産業会社「グルパ・チェルキゾボ」計画・投資部のエヴゲニー・ミハイロフ部長。

 「とうもろこしは高い同化能力のある、高エネルギー食品。カロテノイド、脂肪、でんぷん、糖、またわずかだが繊維やタンパク質を含む。質の良いとうもろこしによって、養鶏業、養豚業で高い生産指数と経済指数を得ることができる」。

 

輸出も視野に

 すでにとうもろこしを増産している農業関係者もいる。ロシアにはつい最近まで、100万トンほどのとうもろこしが輸入されていた。「昨年からとうもろこしの輸出量が大麦に匹敵するほどになった。大麦は輸出量第1位の小麦に次いで多い。今年は1000万トン以上という記録的な生産量になると考えている。恐らく輸出量で第2位になるだろう」と、分析センター「ソヴエコン」のアンドレイ・シゾフ業務最高責任者は話す。

 「農業市況研究所」の予測では、今年の収穫量からみて、輸出量は200万トンになるとのことだ。研究所のアナリストによると、ロシアの主な穀物輸出先である北アフリカ、中東、さらに南ヨーロッパなどにとうもろこしが輸出されるという。

 中国には今のところ、高額な運送料金、難しい物流問題、認証書がないことなどから、輸出が行われる予定はない。またロシアの平均約10倍のとうもろこし生産量を誇るウクライナが、すでに日本や中国に輸出しているため、競争しなければならなくなる。

 

セールスポイントは遺伝子組み換えなし 

 ロシアにはウクライナと同様、重要な強みがある。それは世界市場で唯一の、遺伝子を組み換えていないとうもろこしの輸出国であるということだ。「アメリカ、アルゼンチン、ブラジルなどの他の輸出大国は、遺伝子を組み換えた種類しか提案できない」。したがって世界市場などにおける、ロシアのとうもろこしの 未来は明るい。