日本車はウラジオで

ウラジオストクの郊外にある「グリーンコーナー」と呼ばれる広大な日本車中古市場。その一角にはさまざまな車種に適合するタイヤが野積みされている=Getty Images/Fotobank

ウラジオストクの郊外にある「グリーンコーナー」と呼ばれる広大な日本車中古市場。その一角にはさまざまな車種に適合するタイヤが野積みされている=Getty Images/Fotobank

ロシア極東の都市ウラジオストクに「グリーンコーナー(緑の一隅)」と呼ばれる国内最大の日本中古車市場がある。この港町のしたたかなもう一つの顔といえよう。昔から所々森に覆われたウラジオストクの場末の一角は、グリーンコーナーと呼ばれてきた。夏は猛暑が厳しく、冬は寒風が吹きすさぶ空き地だ。そのグリーンコーナーの幾つかの丘に、シベリア方面へ中古車を移送するやり手業者たちの「巡礼の地」となる青空市場が設けられている。

 グリーンコーナーでは、カラフルな車体が輝き、フロントガラスがきらいている。

 品ぞろ動車市場とさほど変わらないが、違う点もある。

数字あれこれ

148万5千ルーブル
ヨタ・ランドクルーザー・プラド」(2010年)の価格。
332ヘクタール
6000台を収容できる「グリンコーナーの面積。
28万5000台
2012年に極東の税関を経由して輸入された自動車。
558台
ウラジオストクにおける1000人当たり自動車保有台数。
14.8%
2013年上半期の軽自動車入の減少幅
80台
2013年、放射能全基準禁止となった本車

 

 ロシアではフロード車の人気が高く、高級車の「プラド」や「サーフ」の周りには人影が絶えない。近年はティータイプの小型車も目見えしている。

 グリーンコーナーにはまりに多くの中古車が並んでおり、こを一日で見て回ることはできない。どの車も、きれいで、ぴかぴかで、ナンバープレートはない。シアで走行したことのない3年から5年落ちの車が多い

 「切断車じゃあるまいね?」。あごひげを生やしたごつい感じの中年男性がスバルの小型車を指さして注意深く尋ねた

 関税を安くするために日本で車体を半分に切シアで再び接合する車切断車」と呼この荒業は2008年の関税引き上げ後に広がった

 売り手はら笑いを浮かべてえる。切断車は扱っていないよ、うちのは課税100パーセント」。税100っくりそのまま輸入された車のこと

中古車市場でのスラング

 

「ラスピール(切断車)」 

    車体を切断し再び接合する車 

    「トプリャーク(水没車)」
   (または「ルサールカ(人魚車)」)

      海水に浸かったことのある車 

      「サイラ(秋刀魚)」

        クーペ「トヨタ・ソアラ」

        「ホリョーク(ケナガイタチ)」 

          トヨタ・ハリアー

          「ビノグラード(ぶどう)」 

            万能車「日産ウィングロード」

            「パルケートニク(寄木細工車)」

              SUVとほぼ同義

               即座にトレーラーハウスのようなところで売買契約を結ぶことができる。本車の購入者は家自動車監督局で登録を済ませ一路、ハバロフスク、チタ、イルクーツクなどのわが家を目指す。

               外国人に鎖されていたウラジオストクに日本車が輸入されはじめたのは1980年代。自動車の輸入は、この町の姿や経済構造を一変させた。それはに大衆的なビジネスであった。

               ペレストロイカ後に仕事にあぶれた将校、漁民、学者たちは業家に身を転じ、漁船や学術調査船(軍艦もなど東の船という船が動車の運搬に従事し、部品やサービスの市場が発達した。当然、自動車ビジネスは罪と深く結びついていた。

               最先端の車に対するソ連人のあこがれ非常強く、を売って車を買うケースも見られた。

               日本車のエアコン、オートマチックトランスミッション、その他の機能に魅了された極東っ子たちは日本車のハンドルにすぐに慣れ

               沿海地方の動車ビジネスの成長は、ウラジオストクがシベリア方面へ自動車を移送するみ替え拠点となったことに起因している。ゼレョカ(グリーンコーナー)」は1993年9開設された。

               中央政府は、国内の自動車産業を脅かしかねないとして、極東の自動車ビジネスの展を煙たく感じていた。

               1990年代半ば、チェルノムジン首相(当時)はハンドル車使用を禁止しようとしたが、抗議に遭言を翻した

               2008年、当局による古車入関税き上げの際、ラジオストク市民の怒りが爆発し、市内の道路モが繰り広げれた。

               2012に極東の税関を通過してロシアへ輸入された自動車は25万800050万台を超えたピークの08の記録は破られまいが、輸入量は年々増加している。

               「ゼリョを初めて訪れる人野外市場に並ぶ日本車(最近は韓国車や米国車も陳列の台数と種類の多さに圧倒される

               海千山千の者にいわせると、現在場は「半分空っぽまず中央政府の圧力の影響。次に血統書」付き動車を購入できる日本のオークション気の反動があるという。

               市当局は、市場のある場所に宅地を建設する計画を一度ならず発表してきた。市場は転させられるか、新たな関税き上げハンドル自ら店をたたむとになる

               しかし、地元市民はんなシナリオを毛頭信じていない。たとえハンドル車へのり換えが続出して、やはり大半の人は右ハンドル車見捨てずに乗り続けるだろう。

               

               3のトリビア

              1. 2012年の統計によれば1000人当たりの乗用車有台数はラジオストクが558でトップだ。次が油産地ルグートュメ377338台のモスクワはにとどまっている。
              2. 東の中古車業作品生まれた。ョーモチカTVラマ「ペツ」ルコフスキーの小説トヨタ・クレスタ」ペタはハンドルは右、ハートは左」いう自作のつづった
              3. リーンコーナーキーーヒーたばこどの税品が大っぴらに売られている。町ウラジオストクではから、この程度の商売はみんな目をつむている。

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