極東に新航空会社誕生へ

サハリン航空によると、新会社の名称はまだ定まっていない。=Press Photo撮影

サハリン航空によると、新会社の名称はまだ定まっていない。=Press Photo撮影

この冬にはロシア極東で、地元の航空会社のウラジオストク航空とサハリン航空が統合されて、単一の航空会社が創設される。両社は、2011年以来、スカイチームに加盟する露最大手のアエロフロート・グループに入っていた。

 サハリン航空の伝えるところでは、現時点までに、「全9地域の需要を考慮して」、新会社のビジネス・プランが作成され、路線が決まった。9地域とは、アムール、マガダン、サハリンの各州、沿海、ハバロフスク、カムチャツカの各地方、およびユダヤ自治州とサハ共和国だ。

 サハリン航空によると、新会社の名称はまだ定まっていないが、航空機のデザインは承認済みだという。

 アエロフロートの主な目的は、この地域に大きな航空会社を創って、第一に、極東での航空路線網の発達を加速させること、第二に、中国およびロシアの競合他社との競争を容易にすることだと、専門家らは見ている。

 

いかに統合されるか?

民間航空・モスクワのハブ空港・日本とロシア間の時差

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 統合の第1段階では、株式保有の割合は、アエロフロートが51%、サハリン州政府が49%で、その後、同州は、自分の持分を他の8地域と分け合うことができるが、公式情報によると、今のところ、関心を示しているのはマガダン州のみだ。

 統合の時期については、アエロフロート社長のヴィタリー・サヴェリエフ氏は、8月末にモスクワ郊外で開催される国際航空ショー「マックス2013」で、新会社創設の調印が行われる可能性があると、7月に述べていた。

 

なぜ統合が必要なのか?

 サハリン航空によると、この統合で雇用が創出され、極東の航空路線網が著しく拡充されるだろうという。

 新会社のビジネスプランによれば、2018年までに、便数は172から534に、路線数は30から 128に増えるほか、年間240万人の旅客を運ぶことを見込んでいる。昨年度、ラジオストク航空を利用した旅客数は160万人、サハリン航空は27万人だった。

 もう一つ重要な理由は、組織が大きくなれば、融資を受ける条件が有利になることだという。

 

新会社は一枚岩になれるか

 ロシア最大の業界紙「航空時評」の編集長アレクセイ・シニツキー氏は、このプロジェクトは成功する見込みがあると述べる。

 「ビジネス計画は整然としているようだが、問題はいかに実現するか。このグループの枠内で首尾一貫して展開していくことが課題になる。アエロフロートの経営陣は優秀だが、課題は単純ではない」。

 シニツキー氏は、大きな新会社を創ることは、極東の観光地へ飛んでいる中国の航空会社や、シベリア航空(商標はS7航空)と競争していく上で助けになるという。

 

保有機も拡充

 新会社創設とともに、保有機の最適化もなされる。

 2013年末までに、ウラジオストク航空はエアバスА-319を4機、2014年第2四半期にはさらに2機、A-319/320を導入する。

 そして、同社から新会社に、6機のTu-204-300と、同じく6機のА-320が移されるが、新会社はTu-204を使用せず、パイロットたちは他の機種に乗り換える可能性が大。

 一方、サハリン航空からは3機のBoeing-737、6機のDHC-8、2機のAn-24、2機の輸送機An-12が移される。

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