写真提供: Press Photo
日本製ランドセルのこだわりに感動
2人の子供の父親である、法律家のアレクセイ・ムジフさんもこんな方法を使う。アレクセイさんは昨年、上の娘の入学の準備をしながら、通学用カバン選びに苦心していた。店頭で売られているのは、派手な模様付きのかさばる矯正ランドセルや、信頼しきれない外国製のランドセルばかり。だが、ネットでふと日本製のランドセルを見つけた。その見た目、素材、詳細へのこだわり、子供の姿勢への配慮に満足し、日本から直接購入することに。
アレクセイさんの兄弟で、同じく法律家のドミトリーさんも、このランドセルに感動し、この見事な日本の製品をロシアに輸入できないものかと考えた。確固たる決意でアイデアを実行に移し、今年6月にはロシア語のウェブサイト「ランドセ・ル(Randose.ru)」を立ち上げた。
「ソ連製ランドセルに似ている」
「ランドセルのメーカー探しに一番苦労した。ぴったりなメーカーを見つけるまで半年ほどかかったんだ。日本のメーカーのほとんどが、国内市場向けにしかランドセルをつくっていないからね」とドミトリーさん。
2人は日本製ランドセルの需要がロシアで高まると確信している。「ロシアの消費者はこだわりが強く、本物の質を評価する。日本は『メイド・イン・ジャパ ン(日本製)』という表示が、伝説的な日本の質の印だということを、ずっと前から全世界に示している。あと、日本製ランドセルのシルエットは、ソ連製ラン ドセルのものに似てて、親世代は子供時代を思いだすんだ」とドミトリーさん。
ロシア市場には現在、入学前の子供や学校に通う子供のための良質な製品が不足していると、2人は感じている。ロシア市場では売られていない、子供向けの他の製品を増やして、自分たちのネットショップの品ぞろえを拡大するため、今秋にも日本に行く計画を立てている。
「制服に一番合う」
ロシア下院(国家会議)教育委員会は4月末、国内の学校で統一制服を導入する問題について話し合った。この問題はメディアで議論を呼び起こした。
統一制服の問題は現在、地方政府の判断待ちだ。教育省のナタリア・トレチヤク副大臣によると、多くの地域がすでに基準書を作成したという。
ドミトリーさんはこう話す。「制服の導入は、教育省にしてはめずらしく良い決断だった。『すべての新しいことは忘れ去られた古いこと』と言うよね。ソ連の教育システムはロシア史上最高だったし、当時の制服はこのシステムをよく表していた。制服導入は良いスタート。伝統を復活させなければ。日本製ランドセルは競合品の中で一番制服に合っていると思う」。
「ランドセ・ル」のウェブサイトで一番安いモデルは6700ルーブル(約2万円)の「キンタロウ」、一番高いモデルは9300ルーブル(約2万8000円)の「ユミコ」。全部で4モデルあり、それぞれにいくつかの色の選択肢がある。
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