日本と中国への露製木材輸出が減少

=タス通信撮影

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ロシアの木材産業がアジア市場を失っている。第1四半期の環太平洋地域への輸出は大きく減少した。一方で、フィンランド向けの輸出はほぼ100%の伸びを示した。この理由の一つはロシアのWTO加盟で、ヨーロッパ向けのロシア製木材の価格は、アジア向けの半値以下になっている。ロシアがこれまで占めていた環太平洋地域の木材市場のシェアは、北米とニュージーランドが奪いつつある。

 ロシアの林業調査会社「レスプロム・ネットワーク」の報告書によると、今年第1四半期の中国への丸太輸出量は、昨年同期比で228万9000立法メートル少ない、21.1%減となった。韓国も35.8%減、そして日本も19.1%減となった。

 一方で環太平洋地域の木材輸入量は全体的に増えている。中国の1月から4月までの原木輸入量は、12%増加。建設ブームと製材の需要の高さが、この地域の木材輸入量を増やしている。中国で今日、生産、販売、投資、消費市場の勢いを牽引しているのは、住宅建築だ。日本では来年4月から消費税が引き上げられるため、日本の投資家は今年末までに建設プロジェクトを完成させようと躍起になっている。

 レスプロム・ネットワークのアレクセイ・ボガトィリョフ社長によると、ロシアのWTO加盟が価格の不均衡をもたらしたという。「環太平洋地域への輸出には高い関税がかかってしまうため、ヨーロッパ向けのロシア製木材の方が著しく安くなった」。ロシアはWTOに加盟する際、EUと木材の関税引き下げに関する協定を結んだため、ヨーロッパ向けの木材の平均価格が、環太平洋地域向けの40%にまで下がったのだ。環太平洋地域の木材市場においては、ロシアがシェアを失っている代わりに、ニュージーランドは33%増、北米(特にカナダ)は丸太の輸出で23%増となっている。

 ロシアの原木の輸出が減っているもう一つの原因は、その不足にある。ボガトィリョフ社長によると、ロシアには良質な丸太がそれほど多くなく、どの会社にも輸出する用意があるわけではないという。またこれに関連して、業界の企業は、より付加価値の高い製材の輸出に移行している。

 投資金融会社「ソリッド」のアナリスト、イブラギム・ボタシェフ氏はこう話す。「ロシア政府は丸太の輸出をあえて制限して、国内の木材加工業を発展させようとしている。これはさほど深刻な話ではない。というのも、主に中国に木材を輸出しているザバイカリエ地方が、この減少分を補っているからだ」。

 ロシアの木材輸出は、全体ではプラスの傾向を示している。原木の価格の下落と輸出量の減少(収益は5000万ドル≒50億円減少)は、製材の価格の上昇と輸出量の増加で補われている。ボガトィリョフ社長の分析によると、ロシア企業の第1四半期の総輸出収入は、約3500万ドル(約35億円)増えている。