ベトナムのグエン・タン・ズン首相が、ASEAN(東南アジア諸国連合)グローバル対話会議に出席のため訪れたロシアのラヴロフ外相と言葉を交わす。この会議の議題は、中国との領土問題への対応や、貿易の発展、政治関係強化など。=AFP PHOTO/クリストフ・アーシャンボウ撮影
第17回サンクトペテルブルク国際経済フォーラムの一環として、ロシア-ASEANビジネス・フォーラムが6月22日に行われ、約500人の経済人が参加する予定となっている。ロシア-ASEANビジネス協議会のヴィクトル・タルソフ事務局長によると、ロシアへの投資を呼び込むだけでなく、ロシアの企業 にASEAN諸国におけるビジネスの発展性を示すことがフォーラムの目的だという。
貿易額が急速に増大
この地域の経済人とのつながりは1996年から続いており、関係は勢い良く発展している。ロシア連邦外務省のデータによると、2000年に10億ドル (約1000億円)だったこの地域との貿易額は、2011年には15億ドル(約1500億円)に拡大している。ロシアとASEANの間で成功しているプロ ジェクトとしては、ロシアの鉱山採掘企業がベトナム、インドネシア、その他の国の鉱床の開発に投資を行っていることがあげられる。
資源以外にもインフラのプロジェクトが活発に進んでいるが、こちらではロシアとASEAN双方が投資家となっている。「インドネシアと航空機製造会社スホイが同国に飛行機12機納入することで合意したし、ロシア鉄道はインドネシア、マレーシア、ブルネイの領土であるボルネオ島で、鉄道と石炭積載ターミ ナル2ヶ所を建設している」とタルソフ事務局長は話す。
中国の内需拡大が魅力
ロシアと他のアジア地域とのプロジェクトもたくさんあるが、ASEANとの協力関係は非常に発展しており、ASEANへのロシアの投資は、ロシアへの他 のアジア地域の投資よりもはるかに活発だと専門家は評価している。ロシアの海外投資に占めるASEAN諸国の割合は昨年末の時点で1.5%であり、1年間に投じられた額は約22億ドル(約2200億円)だった。
逆にASEANからロシアに行われる投資はそれほど積極的ではなく、外国による対ロシア投資の0.1%を占めるにとどまり、ロシアが投資した額の10分 の1以下となっている。
「ロシアとの物理的、歴史的、文化的距離が大きいために、このような割合にとどまっている。またASEANは中国、日本、韓国という隣国の経済に投資することを好む。中国の内需の大きな成長性を考えれば、ロシアがなぜこれらの国に人気がないかわかる」とロシアの大手証券会社「フィナ ム」のアナリスト、アントン・ソロコ氏は考える。ロシアとASEANの有望な投資分野は消費市場だという。これらの国の経済改革は勢い良く進み、発展可能なインフラもすでにそろっているが、手強い競合が不在の状態なのだ。
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