極東はこれから伸びる

澤田ホールディングス株式会社 常務取締役 中井川俊一氏

澤田ホールディングス株式会社 常務取締役 中井川俊一氏

澤田ホールディングス株式会社(本店・東京都新宿区)は昨年12月、ロシア・カムチャツカ地方のソリッド銀行に出資、経営に参画した。日本の企業が極東の銀行に出資するのは異例のこと。同社の中井川俊一常務取締役に出資の狙いやその経緯などについてインタビューした。

 当社は昨年12月、カムチャ地方に本社を置くソリッド銀行に出資しました。株式の40%を持ち、経営に参画する形です。

 モスクワなどヨーロッパ側の方がビジネスは盛んなのに、なぜて極東なのかと思われるかもしれません。 

 私たちの考え方はシンプルです。極東には鉱物資源があり、今後必ず経済が発展すると見るからです。日本からの距離の近さも大きな理由になりました。

 きっかけは数年前、日本でロシア株専門の証券会社から営業譲渡を受けたことです。この証券会社の取引先の一つがモスクワのソリッド証券でした。

 昨春、当社社長の澤田秀雄とソリッド金融グループ本部を訪れた際、ソリッド銀行への出資の話をいただきました。グループのオーナーがカムチャ出身で、極東への思いも強かったようです。

 ロシアビジネスには負のイメージを持つ日本人も多く、銀行業にも不透明な印象があるかもしれません。しかし、調べてみると大きな問題はありませんでした。

 ソリッド銀行は事業がほとんど預貸だけで、例えば複雑なデリバティブ取引などがなく、結果的に安心して出資できました。近く日本人幹部を派遣し、まずは窓口業務などでの改革を進めていきます。

 ロシア極東に関して、人口が少ない、産業が少ないといった課題が指摘されているのは当然承知しています。 

 しかし悲観することはありません。私たちがそう考える理由の一つが、モンゴルでの経験です。

 当社は10年前にモンゴルの銀行を買収し、同国で最大の銀行に育て上げました。 

 モンゴルは旧社会主義国でビジネスが発展しておらず、買収当時も経済状況は決して良くなかったのですが、その後石炭、銅といった豊富な埋蔵資源を目当てに世界中から人とお金が集まってきました。

 インフラ整備が始まり、大小さまざまなビジネスが発生して資金需要が高まる中で、私たちは日本式の効率的なシステムを導入し、支店を増やしていきましたモンゴルの国内総生産(GDP成長率は今や世界トップクラスです。

 ロシアもまた巨大な資源国です。極東の人口が600万人程度しかいないとはいっても全人口280万人のモンゴルの倍以上です。

 当社がソリッド側から求められていることの一つは、モンゴルの銀行を育てたノウハウをロシア極東で生かすことです。

 私たちは特定の国、特定の地域にこだわらない会社です。長著しい地域に投資するのが基本的な考え方です。これから伸びていく地域の金融に日本式のノウハウを入れることで、成長を加速させられたらいい。

 ロシアの場合、資源国として国全体も成長しますが、中でも極東は本格的な開発がこれからである分、伸び率はくなるでしょう。

 気がかりなのは、未解決の北方領土問題をはじ、日露にまだ距離感があることです。もっと近しい関係になることで、互いの経済発展の可能性がより高まります。安倍晋三首相とプーチン大統領の会談も近く実現するようですし、両国間の雰囲気が良くなってくることを期待しています。