プーチン用リムジン開発

「マルシア・モータース」のスポーツカー。=ルスラン・スフーシン撮影

「マルシア・モータース」のスポーツカー。=ルスラン・スフーシン撮影

ロシアで政府要人用リムジンのデザイン・コンペティションが行われている。優勝者はまだ決まっていないものの、フォーミュラ1の公式パートナーとなっている「マルシア・モータース(Marussia Motors)」が優勝する可能性がある。

 デニス・マントゥロフ産業・貿易大臣は、マルシア・モータースはまだ契約書を受け取っていないものの、優勝する可能性が高いと記者団に話した。政府要人用の高級車ラインの開発をするのは、マルシア・モータースの社長で、有名なタレント兼レーサーのニコライ・フォメンコ氏になると、イズベスチヤ紙に語っている。マントゥロフ大臣はこれより前、プロジェクトの実現段階のどこかで、ロシアの自動車組み立て工場を使いながら、外国人が参加する可能性もあると述べていた。

 今回のコンペには、「ゴーリキー自動車工場(GAZ)」、「リハチョフ記念工場(ZIL)」のほか、「自動車・自動車エンジン中央研究所(NAMI)」が「マルシア・モータース」と共同で参加した。

 マルシア・モータースは、「マルシア(Marussia)」というスポーツカーを製造しているロシアの自動車会社で、2007年に設立された。

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 鶴の一声でロシア製リムジン開発へ 

 政府要人用の自動車を開発する案は、ドミトリー・メドベージェフ大統領(当時)の指令により、2010年から協議されている。

 ウラジーミル・プーチン大統領は、2012年4月に行われたロシア自動車産業問題会議の席で、国および地方の政府機関が、ロシア、カザフスタン、ベラルーシで製造された技術品しか購入しないことを伝えた。

 役人に必要な普通車であれば、ロシア国内には外資系自動車生産工場がたくさんあるため、簡単に入手できる。ところが大統領の乗り物となるとそれほど簡単ではない。国の最高指導者は通常、普通車ではなく、安全と走行特性の要求を満たした特注車に乗っているからだ。

このプロジェクトにかかる費用は184億ルーブル(約560億円)と評価されており、うち120億ルーブル(約370億円)が国家予算から配分される。

 世界の大手自動車コンポーネント生産会社が、Euro6規制に適合する、自動車の250~450馬力エンジン・シリーズ、特別なオートマチック・トランスミッション、電子制御ユニット、四輪駆動システム、電源モジュールの開発に協力すると考えられている。

 

 「単発的な大統領専用車の製造は可能」 

 ロシアの投資会社「VTBキャピタル(VTB Capital)」のアナリストであるウラジーミル・ベスパロフ氏は、現在ロシアでは大統領の車列に使用可能な高級車が、十分に製造され、組立てられていると考える。

 「良い自動車を開発するには費用がかかる。ロシアではソ連時代から、乗用車部門で競争力のあるものは一切生産されていなかった。単発的にZIL大統領専用車を製造することはできても、乗用車部門で世界競争に勝とうとすると非常に難しく、より多くの投資を募らなければならなくなる」。

 

 *ロシア通信イズベスチヤ紙の記事を参照。