=Fotoimedia撮影
ランク入りしたロシア連邦貯蓄銀行(ズベルバンク)、VTB、モスクワ銀行、ロスバンク、ノモス・バンク、ウラルシブ、TCB、ヴォズロジュデニエの総ブランド評価額は、195億ドル(約1兆8000億円)だった。500行の総ブランド評価額は、昨年の7468億ドル(約69兆円)の15%増となる、8607億ドル(約80兆円)だった。
「世界中で銀行の不況が終わりに近づいている」?
「世界上位500行」は、各金融機関の現行の財務・業績、今後5年の予測指標、地理的な活動範囲、市場占有率、顧客の評価にもとづいて、銀行のブランド評価額を算出し、番付を行うもの。
ブランド・ファイナンスの業務最高責任者、デビッド・ヘイ氏はこう話す。「今年の番付を見ると、世界中で銀行の不況が終わりに近づいていて、ブランド評価額が高まっていることがわかる」。
特に新興・発展途上国の銀行の評価が高まり、中でもロシアの銀行は2008年の5.5倍と、最大の伸びを示した。ロシアの銀行の中でもっとも高額な評価を受けたのはズベルバンクで、昨年比31%、141億6000万ドル(約1兆3000億円)増となり、4位順位を上げて13位につけた。ヨーロッパの銀行の中では、イギリスのHSBC、スペインのサンタンデール、フランスのBNPパリバ、ドイツ銀行に続く5位だった。
資産を次々に買収
ズベルバンクは昨年、オーストリアの銀行グループOVAGの東欧支部VBIと、トルコのデニズバンクを買収し、さらにモスクワやロンドンの証券取引所で株式7.6%を売却するなど、活発に資産を拡大していた。イギリスの週刊新聞エコノミストが昨年発表した、過去10年間の株式収益率ランキングでは、ズベルバンクはアメリカのIT関連製品・家電製造会社アップルに続く2位だった。主要株主であるロシア中央銀行が、10年前にズベルバンクに投じた100ドル(約9300円)につき、3700ドル(約35万円)を受け取ったことを、ウラジーミル・プーチン大統領は明らかにしていた。
VTBは今回、30%増の23億4000万ドル(約2200億円)と評価され、87位から80位に上昇した。もっとも順位を上げたのはロシア中央銀行で、87%増の17億ドル(約1600億円)と評価され、190位から104位になった。ロシアの銀行の中で順位を下げたのはウラルシブのみとなったが、わずか4位落ちただけだった。
「株式相場のほうが客観的」
ロシア大手商業銀行アルファ・バンク情報政策部のレオニド・イグナト部長は、この番付が銀行自体の価格を左右することはないと話す。「株式相場が銀行の本当のブランドを示す。より客観的な指標もある。総資産額、利益、不良債権などの変化を投資家はよくわかっているし、それにもとづいて決定を行う。ブランドの評価額で株式や債券を売買する人はいない。このような評価は抽象的だ」。
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