企業と大学が共同で大規模クラウド開発

=コメルサント紙撮影

=コメルサント紙撮影

開発プロジェクトが予定通り進めば、中小企業向けクラウド・アプリケーションの、スケーラブルなソフトウェア・プラットフォームが、数年後には商品化可能となる。

Parallelsノボシビルスク国立大学が共同で 

民間のソフトウェア会社パラレルズ(Parallels)が、ノボシビルスク国立大学(NGU)と共同で、中小企業向けクラウド・ソフトウェアのプラットフォームを開発している。このプロジェクトには、3年で3億ルーブル(約9億円)以上の投資がパラレルズから行われるほか、ロシア連邦教育・科学省主催のコンクールの結果として、同額の補助金も支給される。

Parallelsとは

パラレルズ(Parallels)は、ホスティング・サービスの自動化および仮想化に特化する会社。モスクワ物理工科大学(MFTI)の卒業生である、セルゲイ・ベロウソフ氏が1999年に設立。本社はアメリカにあり、従業員数は800名。パラレルズのクラウド・サービス用プラットフォームの既存ユーザーには、アメリカの大手携帯電話会社スプリント(Sprint)、中南米最大手携帯電話会社アメリカ・モヴィル(America Movil)、オランダのKPN、ベルギーのベルガコム(Belgacom)、スイスコム(Swisscom)、テレコム・イタリア、テレコム・オーストリア、ポルトガルテレコム、トルコのチュルクテレコムなどが名を連ねる。

開発を行うのはNGUで、一部モスクワ物理工科大学(MFTI)も参加する。NGUとMFTIは、2004年に創設された共同研究所で、これまでも共同作業を行ってきた。

中小企業向けクラウド・アプリケーション

パラレルズ科学・教育プログラム責任者のヴィクトル・ニキーチン氏はこう説明した。「課題はこれまでと同じです。中小企業にクラウド・サービスを行うプロバイダー向けにソフトウェアを制作します」。

クラウド・ホスティングとは、デディケイトされたリソースの幅広い多様化を可能とする、複数サーバの統合だ。特に法人ユーザーはこれによって、高額な設備導入の支出を著しく減らすことができる。

市場は急成長 

このプロジェクトは3年後に最初の成果を出し、5年後には回収される見込みだ。世界の中小企業向けクラウド・サービス市場が急速に成長していることから、このような計画が可能となる。パラレルズのデータによると、ロシアの昨年度の中小企業向けクラウド・サービス市場は、156億ルーブル(約460億円)だった。2015年にはこの市場が、34%増の377億ルーブル(約1100億円)まで成長すると、アナリストは考えている。

一石二鳥 

ニキーチン氏は商業的な目的以外にも、このプロジェクトの別の側面について話した。

「大学はソフトウェア分野の現実的な難しい問題の解決を通じて、研究開発で貴重な実績を得ることができますし、生産可能なレベルまで研究を進めながら、ソフトウェア開発の困難な過程を学ぶこともできます。それによって、NGUとMFTIは、市場で引く手あまたの人材を生み出すことができるのです。ソフトウェア工学やコンピュータ科学の分野において、両大学の人材育成の質は高まっています」。

1月14日、ノルウェーの大手携帯電話会社テレノール(Telenor)が、パラレルズ・オートメーション(Parallels Automation)のソリューションを活用したクラウド・サービスを始めることが明らかとなった。

*BFM、RBCデイリー紙、Slon.ru、CNews、コメルサント紙を参照。